指定管理者候補に昂会
◇東近江
厳しい経営状態が続き、今後の経営形態が注目されている東近江市立能登川病院について小椋正清市長は二十八日開いた記者会見で、「指定管理者制度の導入による公設民営で存続させる方針を市として決断した」と発表した。さらに、指定管理者候補を医療法人社団昂会(日野町上野田 相馬俊臣理事長)として、来年四月一日からの指定管理導入をめざして今後の協議を進めることも、明らかにした。能登川病院再生への展望が見えてきた。(松村好浩)
市長就任直後の昨年五月に開かれた第四回経営検討会議で小椋市長は、七月に予定されていた公募による指定管理制導入をストップさせた。それまでの病院の廃止も含めた検討ではなく、あくまでも存続ありきで検討することにし、今年九月に方針を明らかにすると明言していた。
今後の安定的な医師確保が困難な上に、厳しい経営状況を改善できないという判断から、「能登川病院を市民病院として存続させて、地域医療を確保するため、公設民営による指定管理者制度導入」に踏み切った。
そこには、良質な医療サービスを提供し、市民の健康と福祉を推進するためには、経営の健全化と市民が望む病院機能をもつ医療機関の設置が急務で、指定管理者制度は責任配分が明確になり、協定に基づいた適正な病院運営の担保が期待でき、制度導入で速やかに市民が望む病院機能を実現できるとの判断が働いた。
公募を行わずに指定管理者候補を昂会に決めたのは、「能登川病院の医療水準を引き上げるのが可能な引き受け先」を前提に、(一)日野記念・湖東記念の二つの急性期病院を経営して救急医療や地域医療を積極的に進めている、(二)各病院が専門機能をもち、全国から患者を受け入れるなど経営が健全、(三)病院機能の連携・相乗効果が期待でき、それぞれの専門機能を生かすことで「地域完結型医療」が実現できる、(四)医療スタッフ相互の補完体制が充実し、総合診療体制や救急医療が再構築できる、(五)能登川病院や湖東診療所に昂会から医師を派遣するなど、今後も地域医療の充実に力を入れてもらえる――の五点が、決め手となった。
昂会へは、総合病院として一定の機能をもたせることと、現職員の継続雇用を申し入れている。詳細は今後詰めて行くが、能登川・日野・湖東の三病院がそれぞれ得意な分野を生かしてリンクさせ、さらに、東近江・近江八幡の総合医療センターともリンクさせることで、「医療圏としてレベルの高い病院を再構築するとの方向性が、私と理事長の間で一致している」と、期待を膨らませている。
公募で、地域医療を考えず、単体病院として利益追求重視の法人に決まっては意味がなく、「地域医療政策を一緒になってやってくれる所はどこか」と検討した結果、昂会が候補に残った。
議会、病院職員、病院支援市民団体などへの説明を二十八日までに終え、九月一日開会の市議会定例会に病院の管理業務に関する条例改正案を提出する。






