弥平とうがらし栽培の女子2人組
◇湖南
湖南市の農業、佐々木由珠さん(35)と三峰教代さん(34)は、同市の伝統野菜の栽培・加工を通じて、自分らしいライフスタイルを追求する女子二人組。四年前に農業の世界へ飛び込み、弥平とうがらしの特産化で地域の盛り上げに一役担っている。 (高山周治)
「弥平とうがらし」のユニークな名前は、同市下田の弥平さんが百年以上前にどこからか持ち帰ったことに由来する。地元で漬物にする分だけ栽培されてきたため、広く流通することはなかった。
オレンジ色のかわいい見た目とうらはらに、辛さは一般の唐辛子の二倍だが、「辛さの中にひろがる甘みと、鼻をすっとぬける芳純な香り。辛いだけの唐辛子とはわけが違います」と、二人は太鼓判を押す。
市内に農地二十アールを借り受け、一味やホットチリソース、ケーキなどに加工する。
販売はインターネットのほか、同市観光協会の特産品販売店「こなんマルシェ」(同市三雲)でも扱っている。
東京、大阪でそれぞれ働いていた二人が、農業への転身を志したのは五年前。故郷での再出発を模索していた頃、偶然の出会いで「自分らしい生き方をしたい」と意気投合し、農業で起業。社名は、アイルランド語で「楽しい」「心地良い」を意味する「craic(クラック)」を取り入れて、「fm craic(クラック)」と名付けた。
三年前に「こなんマルシェ」の運営を委託され、それまで無名だった「弥平とうがらし」が徐々に浸透。昨年秋には、同市観光協会と共に「激辛サミット」の企画を行い、今ではまちの特産物になりつつある。
ただし、業務拡大には興味はない。「まち全体を盛り上げたいから、生産数は少なくても、加工の委託先は地域から選ぶ」といい、近隣の社会福祉法人や隣接市の牧場と提携している。「激辛サミット」で人気投票ナンバー1となった地元カフェとも、激辛カレーの商品化を検討している。
バリバリ働いていた会社員時代と比べ、収入は大幅にダウンした。しかし、「シンプルな考え方になった」(佐々木さん)、「自分のための仕事なので前向きになった」(三峰さん)と、自分らしい生き方に満足している。









