専門職育たず、館の質低下 大津市図書館
◇大津
大津市が行財政改革の一環で、市立図書館運営に指定管理者制度を導入し、民間委託を検討する問題をめぐり、反対の立場の「図書館を考える大津市民の会」は十一日、学習会を県立図書館(大津市)で開いた。この中で講師の元田原市図書館長の森下芳則氏は「図書館活動で大事なのは職員。(長期雇用できない指定管理者制度では)職員の成長する時間を奪う」と指摘した。【高山周治】
同会は、市が指定管理者制度を導入、民間委託の検討を始めるのを受け、今年一月結成された。批判だけでなく、図書館の本来あるべき姿を考えようと、学習会を開いている。
講師の森下氏は、設立準備から関わった田原町立(現田原市)図書館で、住民目線に立ったサービスを展開し、同館は「市民満足度の高い図書館」として知られる。
講演では、図書館づくりの要である職員の長期的な育成が難しい、コスト重視の指定管理者制度について、「集客はしているが、図書館の役割(利用者の支援、図書の提供)を貧弱にしてしまう」と指摘した。
質疑では、「運営委託を受ける民間業者はどう利益をねん出するのか」という問いに、「正規職員を非正規に切り替えて人件費を削るしかない」と回答した。
また、同制度による民間委託はコスト削減を目的としながらも、「職員の成長する時間を奪っている」ことで、結果的には「コスト削減にならない」と看破した。
参加者からは、「大津市は十年以上勤務していた司書を他の部署へ異動させてしまった」「百年先の文化を考える意識に欠けている」と、批判が相次いだ。
なお、公立図書館における指定管理者制度の導入館は全国で一割、県内ではゼロ館となっている。同市図書館協議会が市へ提出した答申では「管理運営になじまない」と、慎重な意見を出している。
市が二十日まで、パブリックコメントで市民意見を募集している「民間委託推進ガイドライン案」では、図書館業務が対象にあがっている。








