国の有形文化財に登録
◇近江八幡
国の文化審議会は十七日に開いた審議会で県内の五件の建造物を新たに登録有形文化財にするよう文部科学大臣に答申した。これにより、県内の登録件数は三七一件に増えた。
江戸後期の建築様式を伝える
貴重な主屋、土蔵、石垣の3件
登録されたのは、近江八幡市安土町下豊浦の東家住宅の主屋、土蔵、石垣の三件と長浜市の日吉神社本殿と門および玉垣の二件。
東家住宅は、下豊浦の集落内を南北に通る朝鮮人街道の東側に位置し、敷地中央に主屋、その東側に土蔵、街道沿いに石垣を配置したいずれも江戸時代の築造で、主屋は平成十年に改修が行われているものの、当時の建築様式を今に伝え、国土の歴史的景観に寄与する貴重な建造物として認められた。
主屋は、入母屋造りの茅葺き屋根を有し(現在は鉄板で覆われている)、内部は、土間から式台を構え、出の間、座敷、奥座敷と続き、裏手には四畳半、六畳間、仏間を配置した六間取りの平面構造となっている。十八世紀後期の古式な形式を示す湖東地域の近世大型民家の好例で、土蔵、石垣とともに旧家の屋敷構えや格式を伝える貴重な文化財とされる。
上屋柱と下屋柱を立てていることや室内に長押(なげし)を用いていない建築様式と技法から十八世紀後期の建造とみられる。
土蔵は、桁行六間、梁間四間の建物で、西面に下屋庇(げやひさし)を設け、棟木には「文政十二年(一八二九)」に文書庫として建てた墨書がある。
石垣は、街道に沿った敷地西端に築造され、虎口状の表門前から南側と北側に別れている。約一メートルの高さで総延長は五十八メートル。天保二年(一八三一)の家相図に石垣が描かれていることから、江戸後期の築造であると考えられる。









