健全経営で地域農業に貢献へ 佐野・代表理事組合長にインタビュー
◇栗東
栗東市農業協同組合は昭和四十年に四農協が合併、発足し、今年で「五十周年」の節目を迎えた。近年、農業・農協を取り巻く環境が一層厳しさを増すなか、地域農業協同組合としての機能をいかに発揮し、地域で必要とされる組織運営と社会的責任を果たすのか。同組合の佐野宗二・代表理事組合長に今後の抱負を聞いた。(聞き手・石川政実、文責・高山周治)
――まず五十年の歩みの中での大きな節目は。
佐野 先人が築いてくれた中で一つは昭和五十九年にカントリーエレベーター(六地蔵)を設置し、米と麦、大豆を中心にした受け入れ体制が完備された。二つめは平成二十五年に、地域農業の拠点として総合センター「桃李(とうり)館」(小野)がオープンしたことである。
――栗東市農協の特色は。
佐野 都市型農業なので、米・麦・大豆のほか、いちじく、もも、メロンなどの果樹生産が盛んなことだ。さらに現在では、農産物を加工・流通・販売まで発展させる六次産業にも目を向け、「金勝(こんぜ)の清流米」を原料にした地酒や、かぼちゃでつくった焼酎(しょうちゅう)の開発にも取り組んでいるところだ。
組合員数は六千四百八十五人(うち准組合員五千十五人)で、とくに農業に携わらない准組合員が増えている。これは、低金利時代にあって出資配当金が三%と、県内トップクラスの高利回りを堅持してきたからだ。しかし、利殖目的は農協本来の趣旨でないので、購買などの利用者へ還元する、利用配当へシフトしていきたい。
――佐野組合長の主な取り組みは。
佐野 施設面については大方が完備されたので、これを継承・発展させるかたちで、今後はいままで以上に健全経営に力を入れたい。事業の一つ一つを見直し、部門別の損益を重視していきたい。
具体的には、事業の多角化に乗り出しており、燃料事業(ガス供給、ガソリンスタンド)を昨年十月、一〇〇%出資の子会社化している。農協法では正組合以外の利用に制限があったが、子会社化すれば制限が解かれ、多くの方に利用いただける。
土地活用では、旧本店跡地にドラッグストア、NTTドコモの営業店を誘致したほか、JAのガソリンスタンドと金融店舗を整備している。
また、栗東市の新しい学校給食センターが平成三十年度から稼働するので、市と連携しながら地元食材の提供を行っていきたい。
さらに、総合センター「桃李館」周辺に観光農園をつくりたい。隣接する農産物直売所「田舎の元気や」では来年度から、加工を担う女性グループに入ってもらい、直売所の充実を図るつもりだ。
――コンプライアンスについては。
佐野 不祥事は未然防止が鉄則だ。このため職員のコンプライアンス意識高揚のため、日頃からコミュニケーションを密にするなど気を配っている。
また、管理職に対しては、「桃李館」の常務室に毎日報告に訪れるよう指示している。このことで修正すべき点があれば速やかに対応でき、不祥事を未然で防げる。
――今後の抱負は。
佐野 組合員との接点活動を強化し、情報を提供、収集できる絆づくりに努めていく。まだ検討段階だが、毎月第一土曜日、職員による組合員宅の訪問を提案している。実際に組合員に向き合うことで、農業に対する真剣な悩みに答えられるのではないか。
――TPPなど農業を取り巻く環境が大きく変化する中で、今後のJAの果たす役割は。
佐野 農地保全や、組合員の生活を支援する社会的責任を果たすことは当然だが、地域の皆様に愛され、慕われ、貢献できる地域密着型の組織運営を心がけ、地方創生に向けて貢献していきたい。








