全国から注目されるいじめ対策
◇大津
来年一月十日告示、十七日投開票の大津市長選は、越直美市長(40)が再選の意向を固めるほか、蔦田恵子県議(53)やテレビプロデューサーの川本勇氏(56)が準備を進めるなど三つ巴の構図が固まりつつある。そこで本紙は、前回に続いて越市政の"光"に迫った。 (高山周治)
待機児童解消するも質低下?
越市政で全国から注目されるのは、一昨年度のいじめ自殺問題の反省にたった取り組みだ。昨年度からは、いじめ対策の専任教員を大津市立の各小中学校に原則一人ずつ、計五十一人を市独自予算(約二億円)で配置した。
これまで主に学級担任が対応してきたいじめ問題を、専任教員を中心に組織的に対応(教員間の情報共有化、校内巡回など)することで、早期発見と解決に努める。
この結果、市内の公立小中学校のいじめの認知件数は、軽微なものも見逃さなかったため、専任教員がいなかった平成二十三年度の小学校三十九件、中学校二十一件に比べて、同二十六年度は小学校二百三十五件、中学校百七十八件と大幅に増えた。
また、学校に相談しにくい子どもや保護者に配慮し、教委とは別に市民部に「いじめ対策推進室」を設置した。同室では、専門知識をもつ調査員五人が、電話や手紙、面談で相談に応じる。
とくに深刻な相談は、弁護士や学識経験者らで構成する「子どもをいじめから守る委員会」(委員五人)が審査し、必要に応じて調査し、被害者の支援などを行う。
このほか、重点施策に掲げるのが待機児童の解消だ。保育園の新増設は平成二十五年度、二十六年度の二年間だけで二十五か所に上り、入所児童は平成二十四年度の就任当初と比べて、二十七年度は九百三十五人増の六千九百十人に増え、今年四月で待機児童ゼロ人を達成した。
ただし、これには希望する保育園に入れなかった「潜在的待機児童」百五人(今年四月一日現在)は、国の基準に従ってカウントされていない。
この一方で、施設が急増した結果、「保育の質」の低下が懸念されている。新設の保育園十六か所のうち十一か所では定員割れを起こし、定員に対する入所者の割合は三五%~九五%となっている。
これについて全国私立保育園連盟常務理事で保育の家しょうなん(大津市)園長の塚本秀一氏は「原因は、市が需要と供給のバランスを慎重に検討せず、強引に施設整備を進めたためだ。定員割れを起こせば経営は厳しい。もし新設の事業者が経営難で撤退すれば、市の責任も問われる」と指摘する。
さらに「大津市の保育はこれまで障害児保育などで評価されてきた。これは、各保育園事業者が加入する市の保育協議会の研修などで維持を努めてきたからだが、なりふり構わぬ増設で未加入の事業者が出てきている。加えて、施設の急増で保育士の数が追いつかず、新設の保育園で担い手不足に陥っている」と、警鐘を鳴らしている。







