自治刻刻 「マイナンバー制度で健康寿命の延伸を!」
先日、東京で開催された「マイナンバー時代の新たな可能性を目指す意見情報交換会」に出席しました。マイナンバー制度といえば、通知カードが届き、既にマイナンバーカードの交付を受けられた方もおられるかとは思いますが、住民票や印鑑証明の発行、税関係をはじめ各種証明書の発行など、行政に関する手続きが簡素化されるだけというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。まだまだ制度としてはスタートしたばかりですので、現行での主な活用法としては非常に限定されたものとなっていますが、意見情報交換会ではマイナンバー制度の今後の活用法の可能性について、興味深い話も多くありましたので、少しご紹介したく思います。
少子高齢、人口減少社会に入り、国全体の大きな課題となっているのが、労働人口の減少の中にありながら、国民医療費や介護保険給付費といった社会保障費が今後、増加の一途をたどるということです。場合によれば、国民皆保険制度の崩壊につながることも予測されます。いつも申し上げておりますように、社会保障費の負担率が高くなるほど、自由性のある財源が不足し、市民サービス、市民福祉の向上に悪影響を及ぼすこととなります。現在、日本人の平均寿命(男性80・2歳、女性86・6歳)と健康寿命(男性71・2歳、女性74・1歳)の差は約10年となっており、この10年間に特に集中的に医療費等が増加します。今後、いかにこの10年という期間を短くし、社会保障費を抑えるかが重要となります。
そこで、マイナンバー制度を活用した健康管理です。当然ながら、厳格な制度、安全が保障された中での運用が大前提となりますが、マイナンバーカードの提示により、個人の既往症歴、薬剤・調剤やアレルギー情報、検査結果等の「医療データ」、また健診の有無や結果、身体情報等の「健康データ」がわかれば、全国どこの医療機関で受診しても個人の最新情報が得られ、正確で迅速な診断、また最適な治療を受けることができます。結果、疾病の早期発見や重症化防止・介護度の進行防止、効果的な保険事業・健康推進事業の立案、ひいては健康寿命の延伸、社会保障費の抑制につながります。
この活用法はまだ先の話だとは思いますが、私たちが抱いているマイナンバー制度へのイメージも大きく変わります。慎重で安全な運用が求められる制度ですので、今後も十分に議論・検討を重ねていただき、ただのカードで終わるのではなく、国民の健康、国の財政を守る取っておきの“切り札”となることを願っております。






