東近江大凧まつり事故調査検討委員会
◇東近江
昨年五月三十一日の東近江大凧まつりでの百畳敷大凧墜落による死傷事故の原因と今後のまつりのあり方を調査検討してきた第三者による委員会(委員長・谷口浩志びわこ学院大学短期大学部教授 委員五人)が調査検討結果をまとめ、小椋正清市長に報告書を先月三十日提出した。事故原因は「多くのミスが重なって生じたもの」とし、今後のまつり開催については「十分な安全管理体制が構築されるまでは実施を見合わせるべきである」と提言した。
委員会は昨年十二月十七日から五回開催され、東近江大凧保存会・警備係・実行委員長からの聞き取りや安全対策調査などを行い、「飛揚にかかる要因」と「組織、体制にかかる要因」で検証した。
飛揚要因は、▽綱が百五十メートルから二百十メートルになったことが関係者に知らされず、対応できなかった▽骨の直前補強でバランスを崩した▽凧を複数本の細い綱でコントロールする“二の蛸”を経験の浅い者が結束して結び目がばらけ、この衝撃で“三つ又”の二本の綱が切れた▽アンカーが約十メートル動いて落下地点が観客側に近づいた。企画会議での二・六トントラックが二トンピックアップトラックになり、余裕のない状態だった▽風向や風速を判断する吹き流しが百畳大凧飛揚エリアに設置されず、午後から風が強くなることや琵琶湖周辺の風の特性を大凧保存会が十分に把握していたか疑問――などとした。
組織、体制要因では、
▽立入り禁止エリアは十分ではなく、情報共有がなされないまま大凧保存会の判断で決定された。データに基づいて当日の状況に応じた対応ができる体制を構築すべき▽大凧保存会のテントとバックネットで落下地点付近の規制ラインを十分下げることができなかった。観客へのリスクの周知が不十分で、規制ライン設定方式の再検討を求める
▽警備係は市職員と市民ボランティアで編成と警察や消防関係者が入らず、事前打ち合わせも形式的なもので、安全対策や危機管理に関する全ての判断が大凧保存会に委ねられた。行政側も主体的かつ組織的に関与すべき
▽百畳敷大凧飛揚は大凧保存会に全ての判断が委ねられ実行委員会が機能を果たしていない。過去の経験や実績を重視して科学的な危機管理体制を構築する姿勢が欠如し、指示命令系統とチェック体制に行政側の主体的関与が必要
▽実行委員会は年二回の会議のみで、大凧と関係の薄い委員が多く、当事者意識や責任感がほとんどない。安全対策・危機管理面での責任が不明確で曖昧なまま大凧保存会に一任された――などと指摘した。
以上から最大の要因は、関係者や責任者に大きな危険を伴うという認識が薄く、組織として取り組むべき安全対策が徹底していなかったことだと総括した。
小椋市長は、「報告書の内容を真摯に受け止め、二度と起こらないよう安全対策に万全を期します」と述べ、今年の大凧まつりについては「報告書と各方面からのご意見を聞き、百敷大凧なしでの開催も含め、開催か中止かを早い時期に決めたい」との意向を示した。





