元気な甲賀・國づくり総仕上げ
◇甲賀
十月九日告示、十六日投開票の甲賀市長選は、現職の中嶋武嗣氏(68)が四選をめざして出馬する意向を六月市議会で表明し、これに対して元衆議院議員で新人の岩永裕貴氏(42)が挑む構図となっている。そこで本紙は、前回の岩永氏に続いて、今回は中嶋氏に四選の抱負を聞いた。【石川政実、高山周治】
子育て・福祉の拠点 「桜の杜」構想実現も
土地規制緩和と企業誘致で財源確保
――三期十二年で心に残るのは。
中嶋 新名神高速道路の用地買収の交渉だった。初登庁の頃、まだ用地の一部で地権者から同意がもらえていなかったので、地権者に直接会い、理解をもらうため粘り強く交渉した。
この結果、予定より一年早い平成二十年に開通し、市内にインターチェンジが三か所設置された。
これに伴って工場誘致が進み、市民の雇用が確保され、工業製品出荷額も平成二十六年度まで九年連続で県内一位となった。
――なぜ四選を目指すのか。
中嶋 元気な甲賀の國づくりの総仕上げをするため、まちづくりの基本指針である第二次総合計画に道筋をつけようと、出馬を決意した。
さらに合併後のまちづくり事業費の七割を国が負担する合併特例債の期限が平成三十一年度までなので、これに間に合うよう、熊本地震も見据え防災拠点を兼ね備えた本庁舎と給食センターを整備する。
加えて、公立甲賀病院跡地(水口町)を活用する「桜の杜(もり)」構想では、まちの中心地である利便性を生かし、子育てのための教育・福祉・療育・体育の複合施設を考えている。
――大型事業が目白押しだが、財源確保はどうするのか。
中嶋 財政健全化に努めた結果、実質公債費比率は一〇・六(昨年度)で、将来負担比率も六〇・七(同)と極めて健全である。今後も行財政改革を堅持し、土地利用規制緩和を行い、企業誘致を加速して財源確保を図る。
――市内では少子高齢化が進んでいるが。
中嶋 高齢化は、六十五歳以上の人口が全体の二五%を超えているので、若い世代の定住を促すために子育て環境などを整えねばならない。まずは、通院費の完全無料化を中学校まで拡充したい。
また、学校の耐震化が完了したので、直ちに小中学校のエアコン整備や学校図書の充実、さらにはIT教育など学力向上に予算を重点配分していく。
――産業振興やTPPへの対応は。
中嶋 工業では、新名神や国道1号が通過する地理的特性を生かして産業集積を進めており、現在、甲賀・土山インター近くで工業団地(十五・八ヘクタール、平成三十一年度完成予定)の整備計画をプロポーザル方式で煮詰めているところだ。
農業に関してはTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)そのものに反対ではないが、関税撤廃で安い輸入米が流通すれば、獣害と相まって、農家にとって大きな痛手になる。このような状況に対する早期対応を国に対して引き続き訴えてゆく。
学校給食では、地元産の米だけでなく、茶はもちろん、野菜の供給も拡充し、自給率八〇%をめざしたい。
観光では、本市は、仏教美術や忍者屋敷、天然温泉、さらには酒造をはじめ「食」などについても宝の山だ。
東京国立博物館では九月から、甲賀市・櫟野寺(らくやじ)の秘仏をテーマに特別展が開催されるので、これを機に全国へ甲賀市の魅力をシティーセールスとして一体的にアピールしていく。
――旧五町の均衡ある発展はどう進めていくのか。
中嶋 甲賀市版地方創生計画「甲賀の國づくりプロジェクト」で地域活性化を図るとともに、甲賀大原地域市民センター(甲賀町)は今年度から、信楽地域市民センター(信楽町)は来年度から地域の防災拠点として整備する。
さらに、少子高齢化を見据え、住民主体で地域課題を解決しようと、四年前に小学校単位で設置した「自治振興会」が軌道に乗ってきており、地域の皆様と力を合わせ、均衡ある発展に努めたい。







