バンコクに焼肉店オープン
【竜王】 繁殖、飼育、販売の一貫経営を手掛ける近江牛の老舗「岡喜グループ」が昨年11月、タイ・バンコクに焼肉店「近江牛 岡喜 バンコク本店」をオープンさせた。
近江牛生産・流通推進協議会の「認定『近江牛』指定店」海外第1号店で、同社としても初の海外進出。
近江牛発祥の地・竜王町を事業拠点に創業180年の歴史とともに培った近江牛の新しい道を切り開く挑戦で、富裕層や日系企業の駐在員らが多く住むバンコクの市街地に「近江牛」の看板を掲げ、商機を呼び込む。
近江牛の海外進出は、県や独立行政法人が展開してきた売り込みの効果により8年前から本格化。同社でもシンガポールの有名レストランや焼肉店などと取り引きしてきた。
当時から「和牛」の品質の高さが広く知られており、シンガポールでも他府県のブランド牛が競合するシェア争いが展開されていた。
「ただ、商社を通して牛肉を買ってもらうだけでは、近江牛の本当のブランドが伝わるだろうか」と疑問を抱いた岡山和弘社長(45)は「丹精込めて育てた近江牛を直接、消費者に届け、岡喜ののれんに新しい歴史を刻みたい」と奮起。
シンガポールの有名レストランに勤務していた日本人マネージャーとともに直営の店舗づくりをめざしたが、東京銀座並の経費がかかるシンガポールでは高いハードルが立ちはだかった。
そこで小売りだけでなく、業者向け卸しも可能なバンコクに目を向け、昨年4月に自社牛肉を取り扱う商社「オカキインターナショナル」を設立。店舗経営と卸しの2本柱で東南アジアの営業拠点を作ることにした。
開店したバンコク本店は、日本人2人と現地従業員6人のスタッフで27席のテーブルが並ぶ。「まずは小さな店からスタートし、自信のある近江牛を提供しながら発展させていきたい。今は儲けよりもお客様に喜んでもらうことを最優先にして、将来はタイの食文化も取り入れた人気店に育てたい」と夢を語る。
「日本の人口減少が進む中で輸入肉が拡大すると、和牛の消費が低迷するかもしれない。そうした危機を回避するためにも販路の拡大は、和牛の未来に向けて今、取り組まなければならない課題です。自分が自信を持って育てた近江牛を東南アジアから世界に広げていきたい」と岡山社長。真っ直ぐな気持ちで世界に挑む。








