第1回 ハイブリッドな地域空間に秘められた美~大学前駅-五箇荘駅~
東近江市内には近江鉄道駅が13あり、そのうちの一駅、「大学前駅」から徒歩一分に、私が教壇に立つびわこ学院大学が立地する。つまり、本学は駅前の一等地に建っており、学生にとって重要な交通手段なのだ。
もちろん、びわ学の学生だけではなく、地域住民の通勤や通学、また日常生活の移動手段として欠かせない存在である。
しかし、近年はモータリゼーションの発展による生活様式の変化、沿線人口減少などで利用者数は著しく減少し、現在では路線縮小や廃止などのニュースもたびたび報道されている。
びわこ学院大地域調査PT「近江鉄道十三景in東近江」
このような状況を憂えた私のゼミ生を中心とした学生有志は、「若者目線でおもしろいことを考えよう!」と、2017年5月、「びわこ学院大学地域調査プロジェクトチーム(PT)」を結成した。
この2年間、地域と連携しながら、さまざまな問題を調査し、鉄道活用による地域活性化を研究し続けてきた。
活動は、私のゼミ生だけではなく、ほかの受講生も巻き込み、市内13駅周辺でフィールドワークを展開した。
その一環として、学生・教職員の公募による写真展「近江鉄道十三景in東近江」を昨年秋から、本学と市内各地で開き、沿線の魅力を紹介している。
写真展のタイトルは「OUR EYE OUR MESSAGE(アワー愛 アワーメッセージ)」。「みんなの目でみつけた鉄道沿線の美を、誰かに伝えて、一緒に愛を育くんでいきたい」、そんな思いを込めた。
イベント企画は利用者促進にはつながるが、一過性のものにすぎない。それよりも沿線の「美」を再確認し、メッセージを発信し、地域の人々とともに地域愛を育む。そのためには、まず若者たちが住民とともに地域の「美」を再発見し、伝統の文化的価値を再認識すること、地域の持続的発展には主体的に行動することが大切なのだ。
この連載では、私たちが見つけた地域の「美」や楽しみ方をプロジェクトチームの学生たちが案内する。第1回目は、びわこ学院大学隣の大学前駅、長谷野駅、八日市駅、河辺の森駅、五箇荘駅。近江商人の故郷というハイブリッドな地域空間に秘められた「美」を紹介したい。
パン・ジュイン びわこ学院大学教授
五箇荘駅 観峰館
「書の文化」をテーマにした博物館であり、中国と西洋のアンティーク家具の宝庫!世界遺産避暑山荘の復元展示も一見の価値あり。五箇荘駅から中山道を南へ徒歩5分。
河辺の森駅 河辺いきものの森
里山を活用した環境学習の場。季節によって様々な自然の風景が楽しめる。また、自然観察路、ネイチャーセンター、水辺のビオトープ、林冠トレイルなど、色々な視点から自然を学べる。河辺の森駅から西へ徒歩10分。
八日市駅 御代参街道
近江鉄道沿いを走る街道。江戸時代から伊勢神宮や多賀大社へ参拝する道として利用され、今でも街道周辺には多くの史跡が残る。昔ながらの店が立ち並び、宿場町の雰囲気。八日市駅から本町商店街をぬけて、南へすぐ。
八日市駅 レンガのえんとつとまれ
しょうゆの製造に使われていた蔵を利用している。古い赤レンガの煙突が目印で、地域のお母さんたちが作る手作りランチと惣菜が人気。飲食のほか、地域のお年寄りが集まるお喋り会など、多くの人が訪れる。八日市駅から本町商店街をぬけて、南へ徒歩5分。
長谷野駅 飛行場掩体壕
八日市飛行場は日本でも特に早い時期に造られた飛行場で、戦中は陸軍飛行場として利用された。今も残る遺跡「掩体壕(えんたいごう)(飛行機を隠すための格納施設))が、戦争が身近な出来事であったことを伝える。長谷野駅より東へ15分、布引運動公園の北麓に掩体壕が並ぶ。
大学前駅 びわこ学院大学
「小さな大学で、大きく学ぶ」をモットーに、教育や福祉を専門的に学べる大学。小さな大学なので、違う専攻の学生ともすぐ仲良くなれるのが魅力。大学前駅のすぐ目の前。












