独自の国際交流を高く評価
【長浜】 サントリー文化財団(大阪市北区、鳥居信吾・理事長)が認定する「サントリー地域文化賞」において、今年度の受賞者の一つとして長浜市富田町で人形浄瑠璃を地域で受け継ぎ、海外公演や留学生への文化体験などを通じて日本の伝統芸能の素晴らしさを発信している「冨田(とんだ)人形共遊団」が選ばれた。県内からは4例目となる。
同財団はサントリー創業80周年を記念し、国際化、情報化、高度大衆化社会の時代に応え学術研究の育成や文化活動の振興、国際理解の促進の寄与に取り組むことを目的に、1979年に設立された。活動を開始した当初から、地域文化の発展に貢献した個人、団体を顕彰する同賞の制定に取り組み、音楽、演劇、美術、歴史・伝統継承、国際交流、コミュニティ活動などを対象とし、毎年、全国から選定された5件に賞を贈っている。これまで全国で219件を顕彰しており、県からは1984年に長浜曳山祭保存会(長浜市)、92年に東近江大凧保存会(東近江市)、2004年に江北図書館(長浜市)が受賞している。
今年、受賞した冨田人形共遊団は、江戸時代から伝わる人形浄瑠璃を受け継いでいる地域住民らによるグループ。年間約30回の公演に向け、週に1~2回の練習に取り組んでいる。1994年からは海外公演も行うようになり、ロシア、ドイツ、アメリカ、ニュージーランドでの公演を成功させた。また、2002年からは海外の大学生が地域でホームステイをしながら人形浄瑠璃を学ぶ「冨田人形サマープログラム」も開始した。地域に英語が話せる人が少なく、留学生も日本語が得意でない中、約2か月間寝食をともにしながら練習に取り組み、留学生らは息を合わせることの大切さを身につける。
同財団は受賞理由として「独自の国際交流プログラムを通じて、日本文化の理解促進に貢献すると同時に、郷土芸能の継承活動を活性化している点を高く評価した」としている。
このほど、県庁で同財団と同共遊団が受賞報告の記者会見を開いた。同財団から正賞の楯と副賞の300万円を贈られた同共遊団の阿部秀彦代表は「地域のささやかな活動にスポットライトを当ててくれる賞を頂いた。これを機に、冨田人形らしい洗練された演技に磨きをかけて日本文化の良さをより多くの人に発信していきたい」と受賞の喜びを語った。






