厳選の15個を行器に 近江八幡市の大嶋奥津嶋神社
【近江八幡】近江八幡市北津田町の奥島山自然休養林に自生する「むべ」がこのほど、市役所で行器(ほかい=儀礼の際に食べ物を運搬する木製の器=)に納められ「天皇即位の礼」を前に皇室に献上された。
同町には、天智天皇(626~671年)が蒲生野を遊猟された時、同地に立ち寄られ、8人の男子を持つ長寿の老夫婦に出会い「汝等(なんじら)、如何(いか)にかく長寿ぞ」と尋ねられた。老夫婦は「この地にこのような珍奇な果物を産します」と差し出し、それを賞味した天智天皇が「むべなるかな(いかにももっともなことであるなあ)」と話され、「かくの如(ごと)き霊果は例年貢進せよ」と下命されたことから、この果実を「むべ」と名付けて成務天皇即位の年(131年)に創祀されたと伝えられる同町の大嶋奥津嶋神社が献上している。
むべの献上は、10世紀の法典集「延喜式宮内省『諸国例貢御贄』(えんぎしきくないしょう しょこくれいくみにえ)」に記載されている。以来、同地は朝廷、幕府から賦役(ふえき)の免除などの恩典を受けるようになったとされている。
献上は、1982年に一旦途絶えたが、深井武臣同神社宮司ら関係者の尽力で2002(平成14)年に復活され、収穫を迎える11月に毎年続けられている。
17日、市役所に深井宮司ら神社関係者が訪れ、氏子が大切に育てたむべの中から色あい、形などを見比べて収穫した最高品15個を枝葉とともに一つ一つ丁寧に特製の竹かごに入れ揃え、行器に納めた。
作業に立ち会った小西理市長は「長く続けられていることをうれしく思います。無事に皇室に届けられることを願っています」と話した。
深井宮司は「令和の天皇も健康で長寿であらせられるよう、また、いつまでも平和な日本でありますよう祈って献上したい」と述べた。









