不適切な公文書の改変
【大津】 大津市が2014年3月に市民へ送付した「保有個人情報不開示決定通知書」(写真)が、部分開示の様式に不開示の表題を置き換えたものだった可能性が高いことがこのほど分かった。
同通知書は、市民が自分自身に関する個人情報について市へ公開を求めた際に出される公文書の一つ。12年に市の女性職員A氏(現在は退職)から強制わいせつの疑いで刑事告訴された男性職員B氏(後に無罪確定)が裁判で使用するために情報公開を求めた際に市から送付されたもので、本紙は市の公文書をめぐる裁判に提出された資料として入手した。
●不可解な表
同通知書にある表は全8項目と備考欄で構成されているが、不開示決定であるのに「4 開示の日時」「5 開示の場所」「6 開示をしない部分」にも記入があることが分かる。
また、「7 開示をしない理由」には、市の個人情報保護条例第18条第2号と第7号に該当するとした理由が説明されているが、「開示をしない部分については」の書き出しで始まっており、部分開示を行うとも受け取れる。
●存在しない様式
そもそも、市がホームページ上で公開している同条例施行規則にある保有個人情報不開示通知書の様式には前述の4~6の項目は存在せず、表は全4項目と備考欄で構成されている。
一方、同規則にある部分開示通知書の様式には、問題の通知書と同じ8項目の表がある。
市の市政情報課によると「過去10年以内に各様式の表の書式変更はない」としている。
●審査会は「遺憾」
B氏は14年5月、市に不開示決定の異議申し立てを行う。それに応じて同年10月に開かれた市情報公開・個人情報保護審査会の答申では通知書について「本来規定されている様式でない様式」であり「市の姿勢としては不適切な対応であることから遺憾」と厳しく非難している。
●「あってはならない」市の対応
大津市の公文書隠ぺい疑惑に関して、手書きの改ざんが疑われる公文書(起案)があることは本紙既報の通りだが、同起案にも同通知書が案として添付されていた。
本紙の取材に対し、同課は当時の詳細は不明としつつ「本来なら、起案以前の段階、または起案を確認した人からも書き直しが指摘される内容だ。誤った様式のまま市民に送付されることはあってはならない」と答えた。同起案には起案者以外に当時の市長や副市長など11人(合議含む)の確認印が押されている。
●市は徹底調査へ
今月3日、市議会2月通常会議の代表質問で新和会の八田憲児幹事長から市の公文書管理に対する認識について質問された佐藤健司市長は「公文書管理は行政が適正かつ効率的に運営されるようにするためにも、極めて重要だと認識している」とし「(係争中の件について)可能な限り事実関係の解明に努める」と答弁した。その後、5日に大津地裁で行われた裁判の進行協議で、市側は「調査のため6月末までの期間延長」を申し出ており、裁判長が「バックグラウンドまで詳細に調査して書面にまとめて提出するよう」求めたところ、市側は「徹底的に調査する」と応じている。
(羽原仁志)






