一定の改善みられるも、注視を継続
【県】 県はこのほど、昨年度に実施した琵琶湖の水質測定結果で、1979年の観測開始以来、初めて北湖の全窒素が環境基準を達成したことを発表した。
窒素は動植物の増殖に欠かせない栄養の一つ。湖沼などで増えすぎる状態を富栄養化と称し、植物性プランクトンが大量発生して赤潮を引き起こす原因となりうるとされる。国では富栄養化にならないための目安として総窒素量の環境基準数値を各湖沼に設定し、水質調査での判断基準としている。琵琶湖での全窒素の環境基準は水1リットル中に0・20ミリグラム。
今回の結果は、国土交通省、独立行政法人水資源機構、滋賀県が調査機関となり、2019年4月から20年3月まで行った調査「琵琶湖表層・瀬田川水質測定」に基づく。同調査では、北湖31地点、南湖20地点、瀬田川2地点でカドミウムやシアンなどの健康項目27項目、ニッケルや農薬など要監視項目32項目、pHやBOD(生物化学的酸素要求量)、全窒素、全りんなどの生活環境項目と富栄養化項目11項目、その他15項目について測定した。
県琵琶湖環境部によると、全窒素に関しては「初めて北湖の環境基準点での数値が国の定める環境基準を達成したことに加え、南湖でも経年的に減少傾向が見られ、これまでの水質改善対策は一定の効果が見られる」としつつ、琵琶湖全体について「深水層では、全層循環が2年連続未完了となる未経験の状況が生じているなど、40年前には想定していなかったことも起こっている」とし、「南湖の全窒素、全りんなど、未だに環境基準を達成できていない項目もあり、引き続き水質変動や植物プランクトンの発生状況を注視していく必要がある」としている。
同調査の他の主な結果では、北湖・南湖ともに透明度が前年より少し高く、全りんの値がこれまでに比べて低い傾向となった。さらに、南湖で前年度高かったクロロフィルa(葉緑素の一種)やBODやCOD(化学的酸素要求量)といった水中の有機物の量を測定する数値、浮遊物質の量なども低下した。また、北湖・南湖とも18年度同様に水温が高かったことが分かった。一方、健康項目については全項目で環境基準を達成、要監視項目では全項目で不検出もしくは指針値を下回っている。







