市民運動実践者の半生を書籍化
【全県】 労働運動や生協活動、環境問題、福祉の社会化などに取り組み、滋賀県政史にも大きな影響を及ぼした細谷卓爾氏の“行動の半生”を記した書籍「細谷卓爾の軌跡―水俣から琵琶湖へ―」(著:関根英爾、サンライズ出版)がこのほど出版された。
細谷氏は1934年東京生まれ。東京大学を卒業後、1960年にチッソに入社し、守山工場に赴任した。当時はチッソが水俣病をおこした企業とは知らなかったが、その後、会社側の不条理に反発し、労働条件の改善のみならず生活改善、環境汚染への警鐘と打開策を模索し、公害病への追及、福祉の社会化など様々な場面で原因探求の手を緩めず、持ち前の指導力と行動力で組織化し、改善に向かわせてきた。
まえがきによると、同書は2002年に脳梗塞で倒れた細谷氏が「私の歩んだ道筋を振り返り、まとめることは、生協運動をはじめとする活動を考えていく礎(いしずえ)になるのではないか」と考え、出版されることになった。執筆は県政記者の経験を持つフリージャーナリストの関根氏が務め、18年から細谷氏への取材をはじめると同時に大量の資料と照合し、ち密に細谷氏の半生と滋賀県政を浮き彫りにした。同書の帯には元滋賀県知事で元衆議院議員の武村正義氏が「私にとって最も信頼のおける人、心強い政治の友です」と推薦の言葉を寄せている。
このほど、細谷氏と著者の関根氏が出版の記者会見を行った。関根氏は「当時の県庁では細谷さんのことを知らない人はいなかった」と紹介し、「数々の経験をしてきた細谷氏の思想の源流はどこにあったのかを探りたいという思いで記した」と述べた。細谷氏は「私のことを『行動主義』と言ってくれる人がいる。生きづらさを感じる時代、若い人たちが『行動すること』を知るきっかけの一冊になれば」と期待を語った。
同書は、四六判、330ページ。定価3080円(税込)で全国の主な書店やインターネットで販売中。書籍に関する問い合わせは同出版(0749―22―0627)へ。







