感染時、相互支援は不可欠
【県】 新型コロナの「第3波」が猛威を振るいだした昨年12月以降、県内介護事業関連でクラスター(感染者集団)が相次ぎ、重症化しやすい高齢者の感染拡大防止が課題となっている。県内の施設は感染予防の徹底とあわせて、感染時の人手不足をカバーする職員派遣や代替サービス提供など、施設間協力で介護を支える事業に乗り出している。(高山周治)
介護事業者、施設内感染の経験語る
応援事業登録 通所系で伸び悩み
今月6日、県草津保健所で開催された介護関係者のトークライブ。「クラスターが発生すれば、施設が独力で乗り切るのは不可能。地域の応援体制が必要」と指摘したのは、クラスターを経験した甲賀市内の特別養護老人ホームの施設長だ。
入所系の施設は感染が判明すると一気に広がる。施設では判明1日目、職員86人のうち濃厚接触を含めて5割近くが出勤停止となり、人手不足で夜勤調整が困難に。
収束までの18日間、同じ法人や県内の高齢者施設から延べ約40人の職員派遣を受けてようやく乗り切ったが、収束後も風評被害が職員の精神的な足かせとなった。
一方、デイサービスや訪問介護などの通所系施設では、昨年12月からクラスターが相次ぐ。背景には複数の施設利用や、関係者が職員・家族など多岐にわたる感染予防徹底の難しさにある。
栗東市内の通所系施設代表は、昨年の感染経験を生かして万全の予防を講じるが、「無症状が増えており、誰が感染しても不思議でない」と気を引き締める。
危惧するのが、他施設での受け入れ拒否。感染が判明した通所系施設は一定の期間休業するため、同施設の利用者は別の施設で代替サービスを受けざるを得ない。
しかし、風評被害を恐れて、濃厚接触者でもないのに受け入れを拒むケースが県内であり、県健康福祉部の担当者は「正当な理由のないサービス拒否」と問題視する。
高齢者の介護サービスがストップすれば、ADL(日常生活動作)の低下が一段階進む。とくに老老介護や独居老人は行き場がなくなり孤立してしまい、深刻なダメージを受ける。
このため県は、感染時に介護関連施設や事業所間で職員を派遣しあったり、デイサービスや訪問介護などの通所系の代替サービスを提供する応援事業「B―ICAT(びわこ感染制御支援チーム)」の事前登録を昨年11月から呼び掛けている。
登録状況は1月末時点で、特養などの入所系施設への職員派遣事業は331人と順調だが、デイなどの通常系施設の代替サービス提供事業所数は183事業所(県内560事業所)と伸び悩む。
仕組みづくりに関わった県南部事業者協議会の小川義三氏は、「情報交換は安心につながり、発生時の介護サービス継続には助け合いのシステムが有効だ。引き続き登録への理解を求めたい」と話している。







