ふるさと納税「地域資源等」認定巡り
【全県】 県内いずれの市町でも近江牛をふるさと納税の返礼品として提供できるようにするため、県が4月1日、「地域資源等」に認定したことに対し、「違法・不当行為である」として近江八幡市が30日付で総務省に自治紛争処理委員による審査の申し出を行い、今月6日付で受理された。県産品を代表する近江牛の取扱いを巡り、県と各市町に波紋が広がっている。(羽原仁志)
近江八幡市が国に審査申し出
近江牛を返礼品にできるのはどこまでか
県による「ふるさと納税制度における地域資源等の認定」で今回、「近江牛」、「ふなずし」、「湖魚の加工食品」の3品が同様の認定を受け、県内いずれの市町でもふるさと納税の返礼品に組み込むことが可能になった。
県は各市町が同認定の範囲で近江牛を返礼品に用いる場合▽地理的表示保護制度登録産品である近江牛の精肉を提供する▽当該市町内の事業者から調達することに努める▽近江牛紹介のチラシを同封する―など7項目のルールの順守を義務づけている。
これに対し、近江牛主要産地の市町らが反発。県内最大産地である近江八幡市の担当者は「県のルールでは、どの等級の肉でも『近江牛』として扱うことができ、納税者に品質の低い肉を送付するようなことがあった場合、その悪評が近江牛全体のブランド低下になりかねない。県に『返礼品の品質基準を定める』といった対応策を申し入れてきたが、受け入れてもらえなかった」と国へ申し出た経緯を語った。
申し出が受理された今月6日、記者会見で県の担当者は「県内全市町と協議してきた内容で認定した。近江八幡市の対応は残念」と述べた。一方同日、近江八幡市の小西理市長は「(県が)関係市町の同意を得ずして認定に至ったプロセスは大いに疑問」とするコメントを発した。
そもそも、県による認定が行われる以前から、県内16市町がふるさと納税の返礼品に近江牛を取り入れてきた。本紙が、全市町に「今後、近江牛を県の『地域資源等の認定』として活用するか」と質問したところ、「活用する」9市町、「検討中や活用する可能性がある」7市町、「活用しない」3市町となった(表参照)。
活用すると答えた市町からは、「県全体で近江牛のブランドを盛り上げたい」といった意見があった。一方、「活用しない」と答えた市町は、認定を受けずとも返礼品に組み込める産地だが、いずれも「県を挙げて近江牛振興に取り組むことに異論はない」と述べる。また、「検討中」と回答した市町では、「国の対応を注視・静観している」といった意見が多く、「今回、大きく報じられたことが近江牛のマイナスイメージにならなければ」と懸念する声もあった。
国の自治紛争処理委は、申し出から90日以内に都道府県へ勧告などの措置を講じる。







