びわこ学院大 発! スポーツを担う次世代のために
オリンピック・パラリンピック東京大会を目前に控えた2020年、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によりスポーツ界は甚大な影響を被りました。本来であれば、世界のトップ選手たちの競演やスポーツマンシップを目の当たりにし、スポーツへの興味関心がこれまでになく高まっていたはずです。ところが、五輪大会は延期され、スポーツに関わる取組や活動はもちろんのこと、子供たちの学校体育でさえ著しく制限される事態となっています。
筆者が専門とする競泳競技においても、4月上旬に東京五輪の代表選手選考会が無観客で静かに開催されました。このように、寂しく息苦しい状況下にあって、白血病を乗り越え、選考会で四冠に輝いた池江璃花子選手の活躍は、多くの人の励みになったのではないでしょうか。
明るいニュースの一方で、指導者による不適切な言動や暴力事件は枚挙にいとまがありません。大学では、「スポーツコーチング論」において “理想とされる指導者像”について取り扱っています。指導者の最大の指導目的は、“スポーツを通じて選手の心身の成長を助長する”ことです。この点ではどの指導者も異論はないはずですが、現実は随分異なります。スポーツ障害の多くがオーバーユース(使いすぎ)に起因しており、競技レベルに関わらず指導者の横暴な振る舞いが許容される空気があります。指導者だけでなく、学校をあげてプロ選手顔負けの練習時間を確保し、学生の本分である学業がなおざりにされているケースもあるようです。
“勝つ”ことは非常に刺激的でわかりやすいのですが、そのようなあり方はスポーツの“価値”を歪め、人としての選手の成長を歪めることになります。学生には、どのような指導哲学を構築すべきなのか?を問うています。また、知識のみならず経験も欠かせません。今年度は新たな試みとして、アフター/ウィズ・コロナの中で、泳ぎの苦手な小学生を対象に、学生が教える水泳教室を開催します。本教室は、環びわ湖大学・地域コンソーシアムの大学地域連携課題解決支援事業の助成を受けて実施されるものです。
未完成な学生たちが、人を育てる喜びを通じてどのような指導哲学を構築するのか、その成長を見届けたいと思っています。
【PROFILE】
▽ 1997~1999年の日本選手権200m個人メドレーで3連覇。▽1995年の福岡ユニバーシアード200m個人メドレーで2位。▽1996年のアトランタオリンピックに出場、200m個人メドレーでB決勝進出。▽1998年バンコクアジア競技大会200m個人メドレーで2位。▽同志社大学体育会水泳部のコーチを経て2020年に着任。
びわこ学院大学・短期大学部
東近江市布施町29






