組合と公社の訴訟で揺れる滋賀食肉センター 第4弾
【全県】 西嶋栄治前副知事(滋賀食肉公社理事長兼務)が任期途中の3月末で退任するのを知ったベテラン県議は「正直、あ然とした。滋賀食肉センター問題で心労が続いたからだろう」と振り返った。
食肉センターは公社が近江八幡市に整備したもので、公社が食肉センターの管理・運営、(株)滋賀食肉市場が同センターで牛のと畜解体、県副生物協同組合が副生物(内臓)処理をしている。
一昨年9月から昨年2月にかけて、副生物組合関係者がコンプライアンスに抵触する不祥事を起こした。
このため公社は昨年3月から副生物組合と協議を続け、同組合の役員交代や施設使用料の一部未払い金の返済を求めた。
だが協議の進展がないとして、公社は副生物組合に対し同年12月、今年4月以降の施設使用契約の更新拒絶を一方的に通知し、同組合に代わる業者選定を公募型プロポーザル(企画提案競争)で行うことに決めた。
県外業者を意識した新仕様!?
今年1月に県外企業のS社のみが企画書案を提出し、2月3日の審査で同社が選定される。しかし同月1日、副生物組合が提訴したため、裁判が決着するまで内臓処理は同組合が継続し、公社はS社との契約交渉を中断した。
今春にかけて県議らに「県や公社の幹部が早い段階から副生物組合を排除し県外業者に肩代わりさせるように働きかけた」といった、根拠を示さない怪文書が送りつけられた。
ただプロポーザル前に公社と県の担当者がS社と接触していたことについては、県の宇野良彦理事は「プロポーザルを実施するに当たり、県外業者にも参加しやすい仕様書をつくるため、S社や京都食肉市場を訪れて、副生物の商取引ルール、処理方法などを教えてもらった」と説明する。
結果的に新仕様はS社には追い風となったかもしれない。
11月に開かれた三日月大造知事と自民党会派との政策協議会で、大野和三郎県議は「公社と副生物組合が訴訟中でも、別にエントリーしている法人(S社)があるので、現場の混乱を招かないようにして副生物組合との契約を解除し、新たに(S社と)契約更新して進めるように農政水産部長などに指示してもらいたい」と知事に迫った。
三日月知事は「具体の答弁は差し控えるが、適正に(副生物が)処理されることが重要であり、そういった主旨・指示が担当職員、関係団体に伝わるように取り組む」と述べた。
これに対し県の宇野理事と公社の東郷寛彦専務理事は「訴訟継続中は代替事業者と契約できる状況にない。もし契約すれば、公社が債務不履行になってしまう。いまは裁判に勝つことに全力を挙げたい」と語った。
副生物組合の村松安雄理事長は「大野県議の発言は現場の混乱を助長しかねない。そもそも公社が当組合との契約関係の終了を確認できていない状態で強引にプロポーザル手続を進めようとしたことに問題がある。また、なぜ大野県議が地元業者の保護を無視して県外特定業者に対する配慮を強く求めるのか疑問だ」と反論する。
(石川政実)






