三日月知事新春インタビュー
【全県】 三日月大造知事(50)が2期目の県政をスタートしてから3年5か月が経過した。今夏には7月19日の任期満了に伴う次期知事選挙が予定されており、三日月知事の決断に関心が高まっている。そこで、急激に変化している世の中で県を前に進めてきた三日月知事に今年の県政についてインタビューした。(羽原仁志)
コロナ禍を経た「健康しが」
―2期目の振り返りを聞かせてください。
三日月 県民のみなさんの役に立てているかを自戒自省する気持ちだ。特に、新型コロナウイルス感染症の影響で標榜する「健康しが」が大きく揺らいでしまっている。その建て直しとして「本当の意味での『健康しが』」を作っていかなければならない。
―これまでの「健康しが」をどう評価しますか。
三日月 「やまの健康」の提唱、MLGs(注1)の推進、産業振興ビジョンの推進、公共交通の下支えの開始、GIGAスクール構想(注2)の推進、全県立高校へのエアコン設置、障害のある子どもたちの医療的ケアと通学支援の開始、県立美術館のリニューアルオープン、国スポ・障スポの準備など、いろんなことを「健康しが」というキーワードで束ね、進めている。各施策の具体の評価についてはこれからだ。2期目を始めた時、「知事の言う『健康しが』に私たちは入れているのか」という声をいただいた。誰も取り残さず、より健やかに、より自分らしくなっていけるような、そういう取り組みを充実・発展させていかなければならない。
2期目の総仕上げとして
―1期目から継続した施策についてはどう見ていますか。
三日月 大戸川ダムについて県としての姿勢を示す判断や県立美術館の整備、国スポ・障スポの会場整備などは、いろいろ経過はあったが一定、次の時代に向けた布石を打つことができたのではないか。
―2期目から始めた施策への思いを教えてください。
三日月 社会の有り様や自分の生き方を見つめ直して物事を考えていこうと「死生懇話会(注3)」を立ち上げた。また、環境先進県の滋賀県らしくローカルでできる取り組みを充実させようと「CO2ネットゼロ社会づくり」のための条例改正と計画改定に取り組んでいる。さらに「やまの健康」では、モデル地域を作り、ふるさと支え合いの仕組みを生かすなど山のにぎわいを作る取り組みを進めている。特に「やまの健康」では、琵琶湖を守るためにはまず山から、「死生懇話会」では、よく生きるために死を見つめようなどと、それぞれ根源を大事にしようという投げかけをしているので、それにどう社会が反応してくるかはじっくり見ていきたい。
―2期目の総仕上げとして来年度予算編成にどのように臨んでいますか。
三日月 (1)“こころの健康”(2)“次世代・子ども政策”(3)“活力ある滋賀づくり”(4)“グリーン社会への挑戦”――の4本を施策の柱に、それらを貫くテーマとして「ひとづくり」「DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進」「より良き自治の追求」の3点に重点を置いて検討を進めている。
キーワードは「卒近代」
―今後、県で重要になってくるキーワードは何だと思いますか。
三日月 一つは「卒近代」だ。中央集権とか効率至上主義などの近代的な考えは限界が見えつつある。7世代先を考えて行動する「よき祖先」となって、誰も犠牲にならず、お金やモノでは表せない『価値』を大切にする社会像を滋賀県から示していきたい。
―今年注目している行事はありますか。
三日月 6月の「全国植樹祭しが」をしっかりとやり遂げ、それを契機として山や、木を植え・育て・使うということにもっと人の目が向かうように取り組みを進めていきたい。さらに、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ先生の勉強会を立ち上げ、どういうことを大事にされていたのかをもう一回、官民みんなで学ぶ場を作りたい。
2022年の県政に向けて
―今年の抱負は何ですか。
三日月 はばかりなく夢が語れて、楽しむ心を大事にし、みんな仲良く助け合える1年にしたい。
―知事選挙に向けて去就を教えてください。
三日月 知事としては一日一日生きて使命を果たせるように頑張っていきたい。今年、「本当の意味での『健康しが』」を作るための予算や組織を提案すべく準備を進めているので、そういったものをまとめて公表できるときに自分自身の去就について説明したいと思う。
注1 マザーレイクゴールズ。琵琶湖版SDGsとして「びわ湖の日」40周年に策定された。
注2 子どもに1人1台のコンピュータと高速ネット環境を整備する国の方針。
注3 誰もが避けられない「死」についても行政として正面から考えることで、「生」をより充実させるヒントを探るための勉強会。








