ワクチンハラスメントに警鐘
【県】 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を理由にした人権侵害「ワクチンハラスメント」が県内でも起こっている。県、県教育委員会、県人権擁護委員連合会、大津地方法務局、滋賀弁護士会、滋賀労働局はこのほど「『STOP!!コロナ差別、NO MORE!!ワクチンハラスメント』県民運動共同メッセージ」を発信、差別や人権侵害の防止を強く呼びかけた。(羽原仁志)
県内でも複数ハラスメント事案が発生
県民をあげて差別やハラスメント防止を
県によると、県人権センターが月曜~水曜、金曜の午前10時~正午、午後1時~午後4時に実施している「新型コロナ人権相談ほっとライン」(TEL&FAX077―523―7700)への相談には「体質からワクチン接種をしない判断をしたら、職場で配置転換された」など「ワクチンハラスメント」の被害を訴える内容が増えている。
また、滋賀労働局や大津地方法務局にもワクチン未接種者から「出勤や店舗への訪問を拒否された」、「会社を辞めてもいいと言われた」といった相談が寄せられている。
同感染症ワクチンの接種は個人の任意だが、滋賀弁護士会の森野有香会長は「接種しないことにより周囲に不利益があるような誤解から、差別やハラスメントが生じている」と述べる。
県危機管理センター(大津市京町4)で共同メッセージに署名した6団体の代表者らは「地域社会、学校、職場、医療現場などあらゆる場面において、あってはならない差別や誹謗中傷の発生を防ぐとともに、ワクチンハラスメントを防止し、人権が尊重される社会づくりを進めるために、国、県、県民、事業者が一体となり、お互いを思いやり、労りあい、助け合う取り組みを進める」と宣言した。
メッセージに署名した大津地方法務局の金島彰治局長は「全員が自分のこととして考えることが大切」と語り、県人権擁護委員連合会の大森秀次会長は「このメッセージに基づいて偏見や差別の解消に向けた啓発に取り組んでいく」としている。
一方、県ではワクチンには重症化予防に一定の効果が認められることなどから、より多くの人に追加接種の検討を呼びかけている。それが県民の身近なところでハラスメントを生むきっかけになりかねないことについて三日月大造知事は「ワクチンの効果をしっかりと説明しながら、接種の判断が差別やハラスメントにつながることがないよう、バランスを持って説明していく必要がある。行政は発信する言葉に改めて気を使っていかねばならない」と述べた。
県では同共同メッセージに賛同する事業所や学校などを募集している。賛同者には啓発ポスター、相談窓口案内のチラシ、人権啓発床シールなどが必要に応じて送付される。問い合わせは県人権施策推進課(TEL077―528―3533)へ。






