医療機関以外の課題顕著
【県】 新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大が続き、県は入院勧告・措置の見直しや積極的疫学調査の重点化、PCR検査・抗原検査の検査キット供給を症状のある人に優先するなど、必要な人への医療提供体制の維持に重きを置いた対策を講じている。一方、それに伴い自宅療養者数が急増し医療機関以外での課題が顕著化、県民の間に不安を覚える声が広がっている。(羽原仁志)
県は1月21日、県危機管理センター(大津市京町4)で開いた同感染症対策本部員会議で「さらなる感染拡大が見込まれる状況下においても、医療提供体制を維持していくことが必要」とし、入院勧告・措置の対象を重症か中等、または特別な配慮により入院を要する人に重点化し、それ以外は宿泊療養を基本に、重症化リスクの低い場合は自宅療養とすることを決定した。
同感染症オミクロン株の「重症化しにくい」などの特性から判断されたが、感染の拡大は収まらず、自宅療養者は今月2日には5千人を超過した。
県内の7保健所では、各管内で発生した感染の広がりを調べる積極的疫学調査、クラスター(感染者集団)発生現場の消毒、自宅療養者の健康観察などを担っているが、職員だけですべての業務を円滑に運ぶことが困難になり、県から派遣された800人以上が現場で協力している。さらに、1月26日以降、重症化リスクの高い人が多い医療機関と福祉施設の一部、感染が広がりやすい学校・保育機関と家族以外の知人などへの濃厚接触を知らせる連絡は陽性者本人が行い、連絡を受けた人が検査を申し込むように体制を変えた。
また、自宅療養中で自身や家族が買い物に出られない人への食糧支援は県が受け持っているが、第6波当初は配送業者の休業日との調整がとれず、注文から食料が届くまで4日以上かかったこともあった。現在、その課題はほぼ解消されているが、一部の食料の在庫不足などによる配送の遅れが確認されている。また、食料品以外の日用品支援については、実施している市町とそれ以外で差異が生じている。
さらに、県は今月3日、PCR検査・抗原定性検査について、「症状のある人に検査キット供給を優先する」とし、無症状者が薬局などで受けられる検査が受検できない場合もあることを発信した。同日現在、県内で検査を受けられる店舗等は68か所。検査が不可能になった店舗等は県ホームページ(https://www.pref.shiga.lg.jp/)で随時、お知らせしている。
以前から県では「これまでの経験を生かし、必要な人への医療提供体制を維持していくことと、必要以上に社会・経済活動を止めない対策」を講じているが、6波の速度に県民の不安に寄り添った対応をとれているかが問われている。







