国の後手対応、高齢者直撃
【全県】 新型コロナ「第6波」で大きな問題になっているのが、高齢者の命をいかに守るかだ。感染による重症化で体力を低下させ、持病の悪化で亡くなるケースが目立つ。県内では1月中旬から70代以上の死亡が増え始め、介護施設などではクラスター(集団感染)が相次ぐ。(高山周治)
介護施設で集団感染増
対策の重点化求める
「3回目のワクチン接種のスピードが遅く、(第6波に)間に合わず悔しい」。2月中旬、県内でクラスターが相次ぐ中、介護関連施設の責任者は苦渋の表情で語った。
2月16日現在、県内のクラスター(集団感染)は51件で、このうち介護関連施設は最多の保育関連施設14件に次いで11件で、全体の21%を占める。
第6波の感染拡大の勢いはすさまじく、クラスター発生時の人手不足を埋める介護施設間の相互支援の取り決めも、自施設を守るのが精一杯で運用は難しい。
この施設では、入所者70人以上の3回目接種を1月下旬に済ませ、職員は2月から始めた。「介護職員は高齢者を守る仕事なので、本来入所者と同時に接種すべき。しかし、3回目は緩和されたものの、実際は後回しとなっている」と、後手に回る国の対応に業を煮やす。
さらに、「一般的なクラスターは5人前後だが、介護施設で発生すると10人以上に広がる。医療をひっ迫させないためにも、(起こりやすいところに)ポイントを押えた対策が求められる」と、実情に適した対応を訴えた。
また県は、病床の空きがなくなり、医療を必要とする患者が入院できなくなる状況をつくらないため、入院対象者を重度・中等度に限定し、軽症患者は自宅療養とする措置を1月から始めた。
介護施設についても同様で、持病をもつ人を除いて2月7日から開始し、感染者が出た場合、県は感染症管理の専門家を派遣し、感染を防ぐため「居住区域」を分けるゾーニングの指導などで支援する。
これについて滋賀県老人施設協議会会長の堤洋三氏は「専門家の迅速な派遣など、適正な初期対応が前提だ。必要なところに重点化するメリハリの効いた対策をとらないと人手が足りなくなり、施設内で感染を広げる悪循環になる」と、懸念を示した。







