【全県】 太平洋戦争時、出征する人の武運長久を祈って託され、戦地などで他国の兵士らによって持ち帰られていた品を遺族の元へ返す「戦争遺留品返還式」がこのほどアヤハレークサイドホテル(大津市におの浜3)で催され、県出身3人分の遺留品が77年ぶりに古里の遺族の元に戻った。
県遺族会(同市におの浜4、大長弥宗治会長)では、国やアメリカで旧日本兵の遺留品返還活動に取り組む団体「オボン・ソサエティ」らと連携し、それらを古里に戻す取り組みを継続しており、2018年度の日章旗3点を始まりに、19年度に日章旗2点、幟(のぼり)旗、手紙各1点の計4点、20年度に日章旗2点と軍隊手帳1点の計3点がそれぞれ県内の遺族の元へ返還された。
今回、厚生労働省から日本遺族会を通じ、県遺族会に関係遺族の捜索依頼があり、各市の遺族会を通じて調査を行ったところ、3点の日章旗について元の持ち主と各遺族が判明した。
元持ち主は▽故・吉田元弘さん(旧伊香郡高時村)復員兵▽故・布施長左衛門さん(旧神崎郡旭村)復員兵▽故・大継昇さん(旧・甲賀郡石部町)フィリピンで戦死―の3人。
返還式には、三日月大造知事と各遺族のほか、県遺族会、富田博明・県議会議長、遺族らが暮らす各市の首長らが出席した。
各遺族に遺留品を手渡しで返した三日月知事は「二度と悲惨な戦争をおこさないよう、県としても英霊の顕彰をし、次世代に歴史を伝えていく」と述べ、戦没者を哀悼した。また、オボン・ソサエティ・サポーターの國松善次氏は「遺留品はたくさんの思いを持っている。その意味や気持ちを家族や地域に伝えてほしい」と語った。
遺留品の元の持ち主の一人・布施さんの息子で遺族代表として出席した東近江市五個荘木流町の布施吉蔵さんは「まさか父の遺留品が返ってくるとは思っていなかった」と述べ「復員兵だった父は生前、戦争のことをあまり語らなかった。返ってきた旗は仏前で報告し、父の法要の際に私の兄弟や親せきたちに見てもらおうと思う」と語った。
県遺族会の大長会長は「遺留品が返ってくるということは、日本が平和である証。これからもこの事業を大切にしていきたい」と述べている。
同日は、長年に渡り戦傷病者や戦没者遺族、未帰還者留守家族などの援護に関する事業に携わった人たちへの知事表彰も実施され、守山市の岡本勝一さん、彦根市の吉島利博さん、米原市の松居あき子さん、東近江市の田井中正征さん、甲賀市の田畑啓之助さんの5人へ三日月知事から表彰状が贈られた。







