医療体制維持への不安高まる
【全県】 県が医療体制非常事態を1月14日に宣言してからおよそ1か月半が経過した。この期間、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は高止まりし、県内では確保病床占有率がレベル3の基準以上の高い水準で推移した。県は「医療機関等の尽力により必要な人への医療提供体制は保てている」としているが、最近、今後の医療提供体制維持を不安視する声が複数挙がっている。(羽原仁志)
大津市民病院問題に県はどう向き合うか
次の波以降も必要な医療体制は維持できるか
●市立大津市民病院
独立行政法人市立大津市民病院(大津市本宮2)は、感染症指定医療機関としてこれまで重症を含む同感染症患者700人以上を受け入れてきた。
今年2月中旬、同院から医師複数人が退職する意向であることが各メディアから報じられると「医療体制に影響はないのか」と心配する声が広がった。
現在開会中の今年度県議会2月定例会で、加藤誠一県議(自民党県議団)が「これは大津市だけの問題ではない」とし、一般質問で三日月大造知事に県の対応を質問した。三日月知事は「患者の受入れや発熱外来に影響はないと病院から聞いている」と述べ、「影響を最小限にするために、県としてどのような支援ができるのか、まずは病院の状況について丁寧に把握し、病院と大津市、医師派遣元の大学とも課題を共有しながら、今後の対応を検討したい」と答弁した。また、三日月知事は2000年に策定し、13年に改訂した感染症への医療体制について示した「県感染症予防計画」について、加藤県議からの質問に応じる形で「今回の感染拡大とその対応を踏まえて、計画を改訂する必要がある」と述べ、来年度から検討を始めることを明言した。
●病床削減の課題
病気の進行が急速に進む時期の患者に対し入院医療を提供する急性期病床について、県は15年に策定した「滋賀県地域医療構想」に基づき、25年までに2000床を削減する計画を進めている。節木三千代県議(共産党県議団)は2月23日に大津市内で開かれた「第21回滋賀地方自治研究集会」で、コロナ禍以降、同構想調整会議が開かれていないことを指摘し「以前と状況は違う。コロナ病床の確保を民間機関にも求めながら、病床を減らそうとする矛盾する政策」と批判した。
●医療体制維持の危機
同集会では滋賀民医連の東昌子氏も発表し、「地域の診療所では発熱外来への補助金が21年3月に終了したまま対応を求められている」、「コロナの影響を受けた福祉関係施設の多くは融資を受けているが、将来に借金返済が大きな負担となり、経営が悪化する事業所が出てくる可能性がある」と述べ「知事の姿勢上の大きな問題だ」と述べた。
今後、7波が起こる可能性も十分にあり、県に先を見据えた具体的な対策を示すよう求める声が増えている。







