栗東市企業事業資金貸付金未回収分消滅問題
【栗東】 栗東市のたばこ税に関する企業事業資金貸付で、貸付金が回収不能となったことで市財政に約9億円の損失が確定したことを受け、現在開会中の令和4年第1回市議会定例会で、野村昌弘市長の結果責任を問う質問が2会派3議員から相次いだ。(羽原仁志)
同市では、町制時代に制定した企業事業資金貸付条例に基づき、2000年にたばこ税増収を見込んで民間企業2社に5億円ずつ(うち1割が担保)、合計10億円の貸付を実施した。返済期限は10年後に一括としていたが、期日を過ぎても返済がほぼなされなかった。市では貸付金回収に向けた様々な働きかけを進めてきたが、20年に同2社、21年に連帯保証人も破産が認められ、市の貸付元金のうち8億9358万7513円が未回収のまま消滅した。
確定した損害額約9億円への責任の取り方は
市議会で2会派から3議員が市長に同様質問
今月7日、市議会で代表質問に立った栗東市民ネットワークの中村昌司議員が市の施政方針「行政の安心を営む」に関連して同問題について取り上げた。
中村議員から「損害の発生という結果に対して今後どのような対応で責任をとっていくか」と問われた野村市長は「債権回収が不可能となり、巨額の損失が発生したことで、市民サービスに負の影響を与えることは絶対あってはならない」とし、「同じ轍(てつ)は二度と踏まず、健全な財政運営の元、各種施策の推進に努めていくことが私に課せられた責任であると痛感している」と応じた。
続いて翌8日、個人質問で新政会の武村賞議員が同問題の結果責任として「政治家・野村昌弘としてけじめを示してほしい」と詰め寄った。野村市長は「いろんな人から、前を向いて次の未来志向で頑張ることが責任の果たし方だと言われ、それを重く受け止めている」とし「まずは、頂いた任期の中で精一杯頑張っていきたい」と述べた。
さらに同日、栗東市民ネットワークの田村隆光議員が個人質問で「責任の取り方というには真剣さが伝わってこない」と批判し、続けて「リーダーとしての危機感が薄い。市民はそれで納得するのか」と質問したのに対し、野村市長は「(議員時代から同貸付について)知っている者だからこそ、やらなければならないというのはある。説明責任を果たした上で、皆さんに頂いた任期の中で精一杯努力していくことが私に課せられた使命だ」と再度答弁した。
議会の合間に本紙の取材に応じた野村市長は2会派3議員から同様の質問があったことについて「厳しく受け止めている」と述べ、「市民の生活が一番だ。今後も必要な時に市民へちゃんと説明し、『あのお金があったら』と思われない安心で安定した市の財政運営に一生懸命努めていく」と語った。
また、武村議員は「市長は真摯に質問に応えてくれたが、何らかの形でけじめをとる必要はある」と述べ、田村議員は「市の税金を元に行われた貸付で、市の危機感のない対応で約9億円が消滅したことを、もっと市民に関心を持ってもらいたい」と述べている。
市では今月中に内部委員会でとりまとめを行い、この問題について内部的には一定の終結としたい意向だが、中村議員は「また別の定例会の個人質問などで結果責任の追及を行う」としており、真の決着まで議論はまだしばらく続く様相を呈している。






