共産党県議団が大野県議と別の元県議の費用比較
【全県】 県議の政務活動費(政活費)で不適切な支出が見られるとして、共産党県議団は先月26日、岩佐弘明県議会議長に対し、県議会内に事実究明などを行う検討委員会を設置するよう申し入れた。とくに同党県議団が独自調査までして問題にしたのは、自民の大野和三郎県議(彦根・犬上選挙区、現在・無所属会派)が政活費から支出した、断トツに高い県政報告発行費だった。(石川政実)
印刷会社の社長が本紙取材に
「営業担当者の努力で差」と説明
県議が政活費を使って、行政書士の専門書などの購入や自己所有の事務所への家賃支出、旧統一協会関連団体の会費やイベント参加費などに不適切な支出が相次いでおり、県民の不信が高まっている。
同党県議団が独自調査までして注力したのが、2019年1月15日付け(18年度)の大野県議の県政報告(1部=1~4面、写真)費用だった。
発行部数が4万5900部、サイズはB3で、101万9600円が支出された。1部あたりの単価は22・2円で、印刷は近江印刷(株)(本社・彦根市)。
支払いの内訳は、大野県議個人の政活費から50万9800円、自民党会派の政活費から50万9800円となっている。
ところが共産党県議団によると、印刷が同じ近江印刷で、同じ年度、同じサイズ(B3)、ほぼ同じ部数(4万5950部)の西村久子元県議(自民)の18年8月発行の県政報告の費用は、52万8871円(1部あたり単価11・5円)と、大野県議の約半分にすぎない。同党県議団では、他の県議の1部当たりの単価をみても、西村元県議の県政報告費がほぼ妥当としている。
●県警に不信感
自民党県議団幹部は「今春に会派として大野県議の県政報告の発行経費について、近江印刷に事情を聞きに行こうとしたところ、県警関係者から『いまは調査をしないでくれ』と頼まれて、やむなく待っていたが、いまも音沙汰なしだ。この間、なにをしていたのか疑問」と県警に不信感を募らせる。
近江印刷の里西一郎社長は本紙取材に対し、大野県議の県政報告発行費用が、ほぼ同じサイズ、発行部数である西村元県議の倍の発行費用になったことについて、「法に触れることは一切していない。大野県議と西村県議の発行経費が倍の差になったのは、当時、別々の営業の者が担当し、大野県議の営業担当者が少しでも利益を上げようと努力した結果だ」と説明した。
請求について大野県議から指示があったのかの質問には、「個別の案件には答えられない。来春には統一地方選が控えて微妙な時期だけに、なおさらだ。いずれにせよ(県議らの収支報告書提出時に)県議会事務局がチェックをしているはずで、詳しくは同事務局で聞いてほしい」とした。
この説明について杉本敏隆議員は「大野県議の県政報告費が、他の議員に比べて異常に高いことを印刷会社が認めたことは重大だ。営業担当者の努力の結果だと弁明しても、2倍差はありえない」と指摘する。
●行政書士の下司氏が審査請求に動く
一方、長浜市で行政書士を営む下司佳雄氏(59)は先月30日、県議会のチームしがなど5会派に対し、「いまの政治倫理審査会は、県職員に『どアホ』など高圧的な大野県議の言動が『議員の品位と識見に欠けるかどうか』の事実認定のみに終始している。その背後にある動機などを解明しなければ、県議会の健全な発展は見込めない。大野県議の妻が代表の豚枝肉加工企業が全農しがの下請となっており、大野県議は利害関係者として、競合する堀川食品を全農から排除するよう県に働きかけたのかどうかを審査すべき」と審査請求書を手渡した。
下司氏は、各会派を回ってみると、意外にも自民党県議団会派代表の奥村芳正県議が「すでに大野県議が謝罪しているのに、同氏と県職員の面談記録などに基づいて、大野県議の品位と識見のみを審査する現在の政倫審のやり方には、多くの県民が納得しないだろう。僕も動機や背景を明らかにすべきだと思う」と述べたのが印象的だったとしている。








