“その次”につながる県政
【全県】 昨年7月の県知事選挙を経て、三日月大造知事(51)3期目の県政が始まった。新型コロナウイルス感染症の影響やDX(デジタル・トランスフォーメーション)、CO2ネットゼロなど新たな社会変化が叫ばれる中、県はどのように進んでいくのか。三日月知事に今年の県政についてインタビューした。(羽原仁志)
県民が求める県政とは
―3期目開始から5カ月、知事に求められている姿勢とは何だと捉えていますか。
三日月 「安心感を与えてほしい」、「笑顔でいてほしい」、「夢を語ってほしい」とよく言われる。これまで知事からのメッセージは「行かないでください、しないでください」ばかりだった。今は「こっちを向いて歩こう、こうして暮らそう」という“その次”を求められていると思う。体現できるように努めねばならない。
―以前から掲げているテーマ「卒近代」はどのように進んでいると考えますか。
三日月 たとえば、環境保全再生の動きとして策定された琵琶湖版SDGs「MLGs(マザーレイクゴールズ)」で新たな取り組みを進めようとしていることや、グローバルにつながるローカルの可能性を見出そうとしていること、交通も新たな枠組みを作ろうとしている。すべてに結論や方向性を見出し得ているわけではないが、模索しながら、未来への光を見出しつつあるのではないか。
「シガリズム」の可能性
―県に期待される潜在的な可能性はどこにあると思いますか。
三日月 「シガリズム」に夢を持っている。自然を大切にしながら、きらびやかではないが、ほどほどに田舎でほどほどに都会。距離感も近くて、開放的な空間とゆっくりと流れる時間の中で暮らしていける。県民が誇りを持てると同時に、次の世代に対して「いいものあるだろう」と言えて、来た人に光として紹介できる可能性のあることやモノすべてを滋賀らしさという意味をこめて「シガリズム」として発信していきたい。
―「シガリズム」の今後の展望を教えてください。
三日月 滋賀は1次産業も2次産業も3次産業もポテンシャルはある。それらをもう一段高めていく新たな産業をこれから誘致・創造していく必要と可能性があると思っている。これから出来上がってくる県内の道路整備などを基礎に、新たな産業の誘致や高等専門学校・高校の魅力づくり、大学との連携、その先に滋賀での就職につなげるなど、今の強みを更に再投資して力を高めていく。また、観光面では、「シガリズム」を体感してもらえるコンテンツが次春には64ほど出来上がってくる。さらに、世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」や世界文化遺産登録を目指す彦根城にも可能性を感じる。ここからさらに物産のブランドイメージを高めるとか、教育的な効果を上げることにつなげていけるのではないか。その他、近江鉄道は2次交通とセットで考えることでやれることがたくさんあると思っている。
―県の基本方針にも重点を置く視点「子ども・子ども・子ども」に込める思いを教えてください。
三日月 「子どものために、子どもとともにつくる県政」を作ろうと言っている。子どもに優しい社会というのは全ての人に優しい。笑顔があふれる学校づくりやすべての子どもが読書を身近に親しめることを目指して「こどもとしょかん」を検討していくこと、高校の魅力を高める取り組みを進めていくこと、妊娠・出産から子育てまで切れ目ない支援をする仕組みを作ることなどを今より拡充させていきたい。さらに、今年は「(仮)子ども基本条例」の検討を本格的に進め、制定を目指す。
滋賀らしく歩む1年に
――今年の県政のキーワードを教えてください。
三日月 今年の干支は癸卯(みずのと・う)で、恵みの水という意味もあるそうだ。昨年、関西広域連合の連合長に選ばれたことも併せ、琵琶湖を預かっていて、水源の山もあることからも「水のつながり」をキーワードの一つにすることで、滋賀県らしい取り組みができるのではないかと考えている。そういう意味で今年は「琵琶湖の年」ともいえる。
―今年、注目している行事は何ですか。
三日月 まずは3月に県で新たに始める「びわ湖マラソン」だ。そして県立芸術劇場びわ湖ホールが25周年。県立図書館が80周年を迎えることも大事にしたい。また、中国・湖南省との友好提携40周年、アメリカ・ミシガン州との友好提携55周年で、それぞれのトップが来県する予定だ。それを節目に、米中から世界に広がる滋賀の関係づくりができれば。
―今年の滋賀県にはせる夢を語ってください。
三日月 「健康しが」というテーマが私たちの幸せにつながり、幸せを作り続けることになるというのを示していきたい。安らぎ・安心感を大事にし、知事もみんなも笑顔になれる、そんな夢を語れる滋賀にしたい。滋賀らしく歩んでいける年になればいいと思う。










