彦根城世界遺産登録推進シンポジウム
【全県】 ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界遺産登録を目指している彦根城(彦根市金亀町)に関し、先月、米原市役所(米原市米原)で彦根城世界遺産登録推進シンポジウム「彦根城の世界遺産と地域づくり」が開催され、参加者らが“不戦の城・彦根城”の歴史的・文化的価値と世界遺産登録からのまちづくりについて学んだ。
同シンポジウムは、「彦根城の世界遺産登録を一つの軸として、滋賀全体の歴史文化の魅力を再発見・再構築し、世界に発信することで世界に誇れるまちづくり、地域づくりを展開するための共通の土台をつくること」を目的に、県と彦根市で作る彦根城世界遺産登録推進協議会が主催。当日は、県内外から85人が参加した。
“不戦の城”の価値を再評価へ
世界遺産登録からのまちづくりとは
シンポジウムの冒頭、同協議会会長の三日月大造知事は「彦根城を世界遺産にしようという取り組みには3つの大きな意義や期待、夢がある」とし、(1)彦根城は不戦の城であり、平和の象徴だった。今こういう時代だからこそ、戦わずに生きていくこと、まちを作っていくことが大事。(2)戦わない城の町だったからできた産業や教育をもう一回見直し、広めていければ。(3)世界遺産に登録されて終わりではなく、それを生かしたまちづくりや人づくりを力を合わせてやっていこう――の3点を掲げ「県全体で、近江の文化を再構築していくことに取り組んでいきたい」と語った。
続いて、京都女子大学の母利美和教授が「近世城郭の新視点―彦根城の価値と魅力」について、2021年に「北海道・北東北の縄文文化遺跡群」の世界遺産登録にも携わった三内丸山遺跡センターの岡田康博所長が「北海道・北東北の縄文文化遺跡群を活かした青森県のまちづくり」について、國學院大學観光まちづくり学部の西村幸夫学部長が「世界遺産を活かした観光・まちづくり」についてそれぞれ講演した後、コーディネーターに関西国際大学の宗田好史教授を招き、西村学部長、母利教授、岡田所長、滋賀県立大学の東幸代教授、同大学地域共生センターの上田洋平講師、びわこビジターズビューローの川戸良幸会長をパネリストに「彦根城の世界遺産登録から未来をどう考えるか」などをテーマにしたパネルディスカッションが行われた。
各パネラーからは「登録をスタートラインとし、持続するためのアイデアを出し合っていかなければならない」、「ウォーターフロントに伝統的な水辺の景観と歴史的な城下町が残り、現在の地域を作っているのは奇跡的だ。すてきなストーリーを地域の応援で発信していくことが大事」といった意見が挙がっていた。
彦根城の世界遺産登録は、2025年の登録を目標に、現在、ユネスコへ国が提出する推薦書の素案を今年度末に提出できるよう、協議や調整が進められている。








