メルボルン大講師が見解語る
【大津】 東近江、近江八幡の両市にまたがる安土城跡をめぐる「幻の安土城復元プロジェクト・歴史セミナー」がこのほど、「安土山図屏風」研究の最前線をテーマに大津市内で開かれ、約170人が参加した。
当日は、屏風の調査研究に関わる「安土図屏風探索ネットワーク」のメンバーの一人、マーク・アードマン氏(オーストラリア・メルボルン大学講師)が登壇した。
屏風は、織田信長が狩野永徳に安土城と城下町を描かせたとされ、1582年に焼失した安土城の姿を記録した絵画として高い歴史的価値があり、永徳の真筆作品として国宝級の価値をもつ。
バチカンに渡った経緯は、信長がイエズス会の巡察師ヴァリニャーノに贈り、天正遣欧使節を通してローマ法王に献呈されたためとされる。
アードマン氏は講演の中で、屏風のスケッチを収録して1624年に改訂された書籍「西欧古代神話図像大鑑」をめぐる研究成果を紹介。このスケッチは、屏風の最後の目撃者と記録される考古学者が1592年7月にバチカンでスケッチしたものとされる。
この書籍に収録された建物のスケッチについて、安土城の特徴である八角でなく、屋根にしゃちほこがないことから、隣接するそう見寺との見解を語った。さらにスケッチは、原画を複写して反転しているとした。
続いて、アードマン氏とネットワークに参加する新保淳乃氏(武蔵野大学講師)らによるパネルディスカッションが行われ、「反転は忘れがちで、目からウロコ」との意見が交わされていた。






