渥美 勉
2022年9月に近江八幡市地域おこし協力隊に着任し、「芸術による地域振興」をミッションに1年半ほど活動をしてきました。具体的には、参加者同士がおしゃべりしながら作品を楽しむ「対話型鑑賞プログラム」を小学校・市民・市職員向けに実施しました。また、秋に市内で開催される現代アート展に足を運んでもらうためスタンプラリーを企画しました。近江八幡の地域Webマガジン「めぐるり(https://megururi.jp/)」も立ち上げて、少しずつ記事を公開しています。
その他、細かな活動も含めて感じたのは、多くの人が自由に対話できる場を求めているということでした。学校や会社では「正しさ」や「正解」、「成果」や「数字」が求められる場面が多くあります。それは大事なことですが、「これを言ってはいけない」「ミスをしてはいけない」「否定されるのが怖い」という感情とセットになっているのではないでしょうか。ちょっと息苦しさを感じがちな今、アートという「正解」がない問いに楽しみながら挑むことで、鑑賞者の表情がみるみる元気になっていきました。生存には不必要とも思える「アート」が、実は心の豊かさを担っているのだと、この1年半の活動を通じて実感しました。
直近は、アートを身近に感じてもらえるような活動をしてきましたが、今年はプレBIWAKOビエンナーレ2024で展示するためのアートプロジェクトを立ち上げ、作品を市民と一緒に「つくる」ことを目標にしています。近江八幡の伝統的な素材であるヨシを使用し、その歴史や文化を現代の解釈で表現する試みです。
「正解」がない何かを生み出す行為は、怖いことかもしれません。どんな評価がされるのか未知数です。ですが、だからこそ、無限の可能性が広がっているとも言えます。よく言われることですが、これからの社会はどんな未来が訪れるか予測できない状況です。「正解」とされていたことも、変わってしまうかもしれません。そんなとき、作品をつくったという経験がきっとなにかに繋がっていくと信じて、未知数で無限の可能性が開かれたアートをめいっぱいおもしろおかしく市民とともに生み出していけたらと思っています。







