2024年本屋大賞受賞
【大津】 大津市が舞台の小説「成瀬は天下を取りにいく」(著・宮島未奈、新潮社)が10日、2024年本屋大賞に選ばれ、大津市は「成瀬」の快挙を喜ぶ声でにぎわった。
本屋大賞は、「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本」をキャッチコピーに、新刊を扱う全国の書店の店員が毎年1回、投票でノミネート作品と受賞作を選んでいる。
今回大賞を受賞した同書は、大津市在住の宮島さんが地元を舞台に執筆し、昨年出版した青春小説。宮島さんは同作がデビュー作となる。
「わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」の書き出しで始まり、コロナ禍の2020年夏、閉店を控えた西武大津店に毎日通い、ローカル局の中継に映り込むことを続ける中学2年生の主人公・成瀬あかりと彼女を取り巻く友人、家族、地域住民らの何気ない日常風景にあふれる楽しさときらめきを描いた全6篇を収録している。
出版前から「何も起こらないのに読後にスッキリする」、「新しい滋賀小説の誕生」といった感想が芸能人や文壇から多く挙がるなど、話題作となっていた。今年1月には待望の声が多かった続編として「成瀬は信じた道をいく」が刊行され、こちらも発売前に重版が決まるなど話題を集めている。
作中には、主人公・「成瀬」の最寄り駅があるJR膳所駅かいわいを中心に、店や公園など大津市内に実在する場所が登場することも特徴で、今月から大津市では同駅構内に横約7メートル、縦約2メートルの大看板を設置し、同作をPRしていた。
10日午後2時30分頃、本屋大賞発表会で大賞が発表されると、同看板に「祝 2024年本屋大賞受賞」の装飾が施され、地域住民らが一緒に受賞を祝った。看板を設置したびわ湖大津観光協会の坪田朋也さんは「受賞を機にさらに多くの人が本を手にとり、そこから『成瀬』が見た大津へ来てもらえれば」と期待を語った。
また、同日、三日月大造知事は「滋賀愛にあふれる『成瀬』が大津市を舞台に全力で突き進む姿に多くの共感を得て、『いちばん売りたい本』に選ばれたのだと思います。受賞を機に、滋賀の魅力がさらに広まり、地域の魅力向上や観光の振興につながっていくものと期待しております」とコメントを出した。
県では6月30日まで、同書と県が導入しているデジタル地域コミュニティ通貨「ビワコ」を連動させたデジタルスタンプラリー「この春を成瀬に捧げるスタンプラリー」を開催中。作中、成瀬が訪れた場所を実際に巡り、デジタルスタンプを集めると「成瀬」のクリアファイル(2種類のうち1枚)が特典としてもらえる。参加詳細は県ホームページ(https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/oshirase/336949.html)を参照すること。







