デジタル高速無線通信・EMC評価ラボ開所
【県】 県はこのほど栗東市上砥山の県工業技術総合センターに無線通信機能を持つ各種機器開発の高速化に資する施設「デジタル高速無線通信・EMC評価ラボ」を開所した。EMC(電磁的両立性)評価とWi―fi(ワイファイ)など無線通信の品質評価を同時にできるオープンラボは公設試験研究機関としては国内初となる。スマート化が目覚ましいモノづくりの分野で、県や関西の産業をリードしていく拠点施設として高い関心を集めている。
公設では国内初の設備を県が独自開発
最新国際規格対応機器の効率的な開発が可能に
EMCとは、機器が電磁的に妨害を「しない、受けない、受けても正常に動作」をどれだけ両立できているかということ。機器が稼働中などに発生する電磁波は、他の機器に影響を及ぼし、誤作動や作業効率が落ちる原因となることもある。同センターでは、これまでも機器を製造する各種工場が製品のEMCを評価するための検査を実施してきたが、近年は利用できる電磁波の周波数が高くなっており、1999年に設置した同センターの設備では十分な評価ができなくなる可能性があった。
また、近年は機器にWi―fiなどの無線通信機能を持たせたものが多くなっているが、Wi―fiの電磁波は強く、EMCの評価に影響を及ぼす可能性があるため、EMCと無線通信品質の検査は別に行わなければならなかった。
同センターでは、4年前に利用者から「無線通信とEMCの評価を同時にできないか」と相談を受け、独自に検査設備の開発を目指してきた。昨年4月、事業費2億4997万1千円の予算をつけ、およそ1年間かけて施設の改修を行なった。
今回の改修では、従来6ギガヘルツまでの妨害波を測定可能だった電波暗室に18ギガヘルツまで測定できる設備を導入。同時に無線LAN通信の品質検査も可能にした。また、検査台は360度回転し、製品がどの角度からも妨害波が出していないかを調べられるようしたほか、静電気や雷による製品への影響を調査できる機器も導入した。同センターでは「全国の工場でスマート化が進んでいく中、このような設備は必須となる。県はその先駆けとなる施設を独自に開発した」と述べている。
ラボの開所式には三日月大造知事や県議会議員、県内経済団体の他、関西広域連合エリアの工業関係団体など約20人が来賓として出席し、同センター職員から新設備の説明に興味深く耳を傾けていた。
同施設は、最終調整の後、今月中には正式に供用が開始される予定で、県内事業所と関西広域連合エリアの事業所は一般の半額で利用できるようになる。
開所式であいさつした三日月知事は「この施設が大いに活用されることと関西広域連合エリア内の事業所との活用によりオープンイノベーションがさらに進むことを期待したい」と述べた。







