写文集と世界1周旅行エッセーの2冊を出版
【全県】 大津市の故・溪逸哉さんの遺稿を妻の久さんが編集し、このほどサンライズ出版から「昭和のグラフ誌を飾った近江の歌枕 信楽・安土城・幻住庵」(2200円)と「地球一周してみたら 聞こえた大自然と人々の鼓動」(1320円)の2冊を出版した。
著者の逸哉さんは1934年、甲賀市信楽町生まれ。滋賀大学学芸学部(現在の教育学部)を卒業後、県立高校などに英語教師として勤務した。95年に県立石山高校校長を定年退職した後も県立体育館長、佛教大学・滋賀大学教育学部講師、民生児童委員などを務め、2019年に逝去した。
逸哉さんは1973年~75年にかけ、グラフ誌「フォト」(社団法人時事画報社出版、2001年に休刊、09年に事業停止)に出身地の信楽や強く関心を持っていた安土城跡、幻住庵など松尾芭蕉ゆかりの史跡などに関する文章と写真を投稿していた。没後、遺品の整理をしていた久さんが本棚で掲載誌を見つけ、同出版社に持ち込んだのを機に、「陶器のふるさと 信楽」「英雄覇業の跡 安土城」「この一筋につながる 幻住庵の碑」の3篇からなるセピア調の写文集「昭和のグラフ誌を飾った近江の歌枕」として再編集した。信楽の茶畑にたたずむわらぶき屋根や逸哉さんが強く関心を持った安土城跡穴太積みの石垣など、ノスタルジックな昭和の風景が情感あふれる文章や和歌などとともに収録されている。
一方、「地球一周してみたら」は、2015年4月から7月にかけ、夫婦で105日間世界一周の船旅に参加した際に現地で見た文化や歴史、人との交流などについて1冊にまとめたもの。逸哉さんが所属していたエッセークラブの輪読会のために書き残していた原稿を再編集した。シンガポール、インド、ギリシャ、フランス、ロシア、ノルウェー、グアテマラなど24の寄港地とその移動中の船内などで逸哉さんが見て感じた外国の様子や旅の空で思う日本のこと、夫婦のことなどが細かく記されている。
このほど両書籍を編集した久さんが県庁で出版記者会見を開いた。久さんは逸哉さんについて「利他の心、思いやりを生まれつき備えているような人だった」と振り返り、「昭和のグラフ誌を飾った近江の歌枕」について「写真と詩的な言葉で50年前に逸哉さんが見たときのまま時が止まっているような本に出来た。著者と同じロマンを感じてもらえたら」と述べ、「地球一周してみたら」については「興味を持った人に是非、地球一周の船旅に出かけてほしい」と紹介し、「それぞれの本を手に取った人が何かを感じとり、生き方に生かしてもらえる1冊になれば」と期待を語った。
両書籍とも県内の主な書店やインターネット書店などで販売中。問い合わせはサンライズ出版(TEL0749―22―0627)へ。







