草津市の植田さんの作品「孤食」が知事賞
【全県】 県、県教育委員会、県芸術文化祭実行委員会、公益財団法人びわ湖芸術文化財団、県写真連盟が主催する「第63回滋賀県写真展覧会」の審査会が行われ、最優秀賞となる知事賞を草津市の植田信子さん(67)の作品「孤食」が選ばれた。
同展覧会は、県民の意欲的な写真作品の創作発表を奨励するとともに、文化芸術に親しみ、鑑賞する機会を広く提供することにより、県内の写真文化の高揚を図ることを目的とし、毎年、県芸術文化祭主催事業の一環として実施されている。
今年度は県内在住か通勤・通学する18歳~90歳の224人から計560点の応募があり、そのうち126点が一次審査を通過し入選、そこからさらに先月29日の二次審査を経て知事賞1点と特選16点が選出された。審査員を務めた文化庁新進芸術家海外研修制度在外研究者の大栗恵氏は総評として「写真の撮り方が多様化する中、作者が撮影の対象へ真摯に向き合われた作品が多く、見ごたえのある審査となった。入賞・入選作品では、単に目を引くだけではなく、作者が表現したかったことを伝えようとするアプローチが強く感じられる作品にフォーカスしました。写真は視覚ビジュアルですが、見る者の感情に訴えかけ、感覚をとらえることができる。そのような写真表現の豊かさを持つ作品が増えることを今後も楽しみにしています」とコメントしている。
今回、知事賞を受賞した植田さんの作品は、国内の動物園で撮影された1枚。一般的には群れで暮らすチンパンジーが一頭で食事をしている後姿を収めている。大栗氏は「孤独な背中から感じられる哀愁に、動物園を巡る生態問題もさることながら、核家族化の加速など人間の現代社会をも考えさせられる作品。動物園のスナップという域を超え、訴えかけるメッセージ性を高く評価したい。シルエットや空間の活(い)かし方も効果的です」と評している。
作者の植田さんは「動物園で孤独を紛らわせるように光に向かっている姿が印象的だった。初めて知事賞を受賞でき、本当にうれしく思っています」とコメントしている。
同展覧会の入賞作品は14日まで大津市瀬田南大萱町の県立美術館ギャラリーで展示されている。14日には同美術館木のホールで今年度受賞者に対する表彰式(午後1時30分~)が催される他、ギャラリーで審査員の大栗氏による講評会(午後2時45分~)も行われる。また、同期間中、若い世代を対象に滋賀県写真連盟が主催した第1回滋賀県U20写真展覧会の展示と表彰式も行われる。







