「蒲生郡衙(ぐんが)」の一部施設?きょう 午後1時~現地説明会
【近江八幡】県文化財保護協会は8日、近江八幡市千僧供町地先の御館前(みたちまえ)遺跡の今年度調査で奈良時代(8世紀頃)の掘立柱建物群と遺物が出土したと発表した。
調査は、県道整備工事に伴い令和4年度から進められているもので、遺跡とその周辺のこれまでの調査で、蒲生郡衙(ぐんが)と考えられる大型の柱穴を用いた建物跡や墨書土器、木簡などが出土していることから今回の調査で見つかった建物群も蒲生郡衙を構成する公的(役所)施設の一部ではないかと考えられる。また、出土した「コップ型須恵器」や歪んだ須恵器、転用硯(すずり)などがあり、これらは、当時の役所で使われたと考えられることから、蒲生郡衙との関連性を深める資料としても注目される。
郡衙は、現在の市や町のような地域行政区分で、郡の行政機能を集めた役所のような建物があり、地方豪族をトップとする役人が勤めていたとされる。
発掘現場は、田園地帯で中央と地方を結ぶ奈良時代の東山道(旧中山道)に近い位置にあることから出土した掘立柱建物群は、東山道から人々が往来する利便性を活用した須恵器類の生産施設の可能性があるとしている。
出土した掘立柱建物跡は14棟で、そのうち東山道に近い北側の建物跡は奈良時代の方形周溝墓跡がある場所で、意図的にこの墓跡を避けて建物を配置した配慮がみられる。周辺には現在も古墳が残っていることから、当時、祖先を敬う墓に対する特別な思いがあったのではと考えられる。
掘立柱跡は東西南北の方位に、一辺が最大約80センチの方形が最大、南北約10・8メートル東西約8・9メートルの規模で並んでいる。深さは約70センチと深く掘られている所もあり、重要な建物であったことが推測できる。また、数棟が空間地を囲むように建てられていた跡地もある。
一般対象の現地説明会がきょう12日午後1時から行われる。駐車場がないため公共交通機関の利用を呼びかけている。近江バス長福寺バス停より徒歩7分。








