びわこリハビリテーション専門職大学
【東近江】 健康いきいき作業療法プロジェクトと題し、びわこリハビリテーション専門職大学(東近江市北坂町、同市八日市東浜町)の学生たちが、高齢者が集う同市黄和田町のサロンに入り、「作業療法」を取り入れた地域の課題解決に取り組んでいる。
超高齢社会が進む中、滋賀県唯一のリハビリテーション人材養成大学として2020年に開学した同専門職大学。現在は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を養成する3つの学科を有し、地域とともにつくる社会「地域共生社会」の実現に向けたリハビリテーションを追及している。
その中で、大学生と地元自治体などが連携して地域課題に取り組む「環びわ湖大学・地域コンソーシアム」(一般社団法人)の一環で、同大学の学生が主体となったフィールドワークが行われている。
取り組むのは作業療法学科の学生ら。山間部など都市部から離れた土地に暮らす高齢者の生活を評価し、作業療法の観点から地域課題を解決しようと約2年間、東近江市黄和田町のサロンと交流を進めてきた。
サロンには70歳代から90歳代の地域住民15人ほどが参加し、月1回ほど催しなどを開いて住民同士の親交を深めている。その活動の中で、学生らはレクリエーションやフレイル予防の健康体操などで住民らの集える場を提供する傍ら、日々の生活に不便がないかなど住民らとの交流を通じて日々の暮らしの評価を調査してきた。
作業療法学科の田邊大智さん(20)は「人口が少なく高齢者の割合が多い山間部は不便なことが多いと勝手なイメージを持っていたが、会話やアンケートを取っても特に生活に不便と感じている方が少なかったのに驚いた。小さな課題があっても住民らで協力し合って解決していることが印象的だった」と振り返る。その一方、交流を通す中で浮かび上がってきたのが騒音問題だったという。
永源寺地区にある黄和田町は、同市の中心部から車で約40分離れた場所に位置する。鈴鹿の山々や渓流など自然豊かな土地で、三重県に抜ける国道が通ることからレジャーシーズンには多くの観光客が足を運ぶ。その反面、昼夜問わず発生する道路からの騒音が住民らの生活に直面していることに学生らはたどり着いた。
「作業療法の観点から何かできないか」。住民自らが取り組める課題解決の道を探ろうと学生と住民で話し合い、騒音防止を呼びかける啓発ポスターの制作を企画した。啓発の文言やイラストは住民らが考え、近隣の道の駅でポスターの掲示や配布を実施。学生はそれをサポートした。
活動を見守ってきた同学科助手の前田浩二教諭は「作業療法は病やけがなど何かを直すだけでなく、生活の質や楽しみなど余暇に関わりをもっていく療法」と作業療法の可能性を見出す。「学生が地域のサロンに入ることで新鮮さが湧き、住民の方々の生活リズムに楽しさと質の向上を与えてくれる。さまざまな観点からアプローチできるのも作業療法の魅力の一つです」と話す。(古澤和也)









