「観音正寺の人魚伝説」完成
【近江八幡】西国巡礼第三十二番札所の観音正寺(近江八幡市安土町石寺)に伝わる人魚伝説のアニメーション作品「観音正寺の人魚伝説」が完成し、先月30日、制作した沼田心之介監督(44)ら関係者が市役所を訪問し、小西理市長に披露した。
アニメ作品は、日本財団・海と日本プロジェクトの「海ノ民話のまちプロジェクト」が2018年から毎年、全国自治体から海に関わる民話を公募し、年間25の民話を選んでアニメ作品にしているもので、昨年4月に市、観光物産協会、観音正寺などで構成する同市海ノ民話のまち実行委員会が応募した観音正寺の人魚伝説が選ばれ、全国92作品目として制作が進められていた。県内では4作目。
近江八幡市「海ノ民話のまち」に認定
大切な民話の教えを伝承
完成した作品アニメは、聖徳太子がびわ湖に釣りに出かけた時、人とも魚ともいえない人魚を釣り上げた。人魚は前世が漁師であった時、欲にかまけて必要以上の魚をとり、売れ残ったものは捨てるなど殺生を繰り返した結果、その業として魚の姿に変わってしまった。暮らしている湖の中では殺生をした魚たちにその行いを責め立てられ、つらい日々を送っていることを聖徳太子に直訴し、なんとか成仏させてほしいと懇願。聖徳太子は、人魚の訴えを聞き入れ、繖(きぬがさ)山に立派な観音堂を建立して千手観音を安置し、魚の祟りを鎮めたというストーリー。
上映時間は5分30秒で、やさしく分かりやすく語りかけるナレーションと描画で話しが進み、自然から得た恵みに感謝し、欲にかまけず、みんなで無駄なく分け合い、支え合って生きていく大切さを描いている。作品は、同協会のホームページで公開されている(二次元コード参照)。
作品の完成により、海ノ民話のまちプロジェクトから「海ノ民話のまち」の認定書を受け取った小西理市長は「ほんわかした親しみのあるアニメ作品で子どもたちに足るを知るとか、みんなで仲良くものを分け合うなど今の日本人に必要な昔からの大事な教えが伝わるすばらしい作品だと思います。余り片意地を張らず、みんなで楽しめる機会がたくさんできればと思います。子どもたちに自然な形でその教えが伝わっていくことを楽しみにしています」と話した。
沼田監督は「地元では海と呼ばれているびわ湖がある環境にすばらしさを感じます。民話にはファンタジー要素もありますが、歴史深い観音正寺に伝わるお話なので、そのイメージが伝えられるように心がけて制作しました。子どもたちがアニメを見て地元の民話に疑問を抱いたり、興味を持ったことを自分で調べてもらうきっかけになればうれしい」と語った。アニメ作品は市内の学校などに配布され、活用される。










