木地師のふるさと蛭谷と君ヶ畑へ
【東近江】 東近江市「小椋谷」にろくろ技術を伝え、木地師の祖とされる惟喬親王(これたか・しんのう)を題材にした東近江創作ミュージカルの台本・構成制作を前に、下見や調査を行う「ロケーションハンティング(ロケハン)」が11日行われ、関係者18人が木地師発祥の地である同市蛭谷町と君ヶ畑町を訪問した。
このミュージカルは、八日市文化芸術会館事業として実施される「木地師のふるさと東近江 惟喬親王伝説」(東近江市地域振興事業団主催)で、公演予定は来年1月31日、2月1日。
関係者ら寺社・資料館を訪問
森と人の共生の思い触れる
小椋谷に残る伝説は、平安初期の頃、皇位継承ならず都を追われた惟喬親王が同地に逃れ、木の実の抜け殻を見て木地椀をつくることを思い立ち、法華経の軸が舞うのを見て木工製作で使う工具「ろくろ」を発明し、人々に伝えたという。
このため、ろくろを使って雑木からお椀などの日用品を生産した全国の木地師は、惟喬親王を祖神としてまつり、小椋谷をルーツの地としている。ミュージカルでは、木地師発祥の伝承をもとに、現代につながる森と人の共生のあり方を問う。
この日のロケハンで一行は、惟喬親王と木地師に関連する蛭谷町の筒井神社、帰雲庵、木地師資料館、君ヶ畑町の金龍寺、大皇器地祖神社(おおきみきじそじんじゃ)、木地師のふるさと交流館を訪ねた。
このうち木地師資料館では、椀や盆などの木地製品、全国の木地師が住んでいる地名と人名が列記された冊子である氏子駈帳(うじこかけちょう)や往来手形などの古文書、手挽きろくろ、足踏みろくろを見学したり、実際に工具を触れた。
演出脚本を担当する宝塚歌劇団演出家の中村暁さんは「木地師の故郷を見て、人々からの話を聞き、森の文化を大切にした思いが深く感じられた。この思いをミュージカルの中に反映させたい」と意欲を語った。






