県歯科医師会湖東支部 講演や体験談
◇東近江・近江八幡市
自分の歯のようにかむことができ、おいしい食事と健康を取り戻すことができる歯科治療として、今最も注目されている人工歯根「インプラント」治療のすばらしさを、歯の治療で悩む人たちに知ってもらおうと、滋賀県歯科医師会湖東支部(井田亮支部長)はこのほど、近江八幡市の県立男女共同参画センターで「市民公開健康講座」を開いた。
インプラント治療の専門医や治療経験者から直接話が聞けるとあって、歯の治療で悩む大勢の県民が会場に詰め掛けた。
まず、インプラント治療の権威で、治療や普及に努めている滋賀医科大学歯科口腔外科の山本学教授が、「わかりやすいインプラント治療」と題して、インプラント治療の利点や治療方法、治療後の手入れなどについて、写真や図表などをパワーポイントを使って解説した。
この中で山本教授は、これまでの入れ歯、差し歯、ブリッジなどと違い、骨の中に埋め込んで固定するため、口の中の違和感もなく、残された他の健康な歯に負担をかけずに、手入れも簡単で
、健康な歯と同じかむ感触を取り戻すことができることを強調した。
その上で、骨質や管理状況にもよるが、適正な手入れと定期検診を怠らなければ、十年以上は使用が可能で、十四年で約九十%生存しているという統計数値を示して証明した。
ただし、喫煙や歯周病が及ぼす悪影響や、糖尿病や肝臓・腎臓・血液の疾患、金属アレルギー、骨粗しょう症、アルコール依存症などの患者には施術に注意が必要と促し、骨はやせていくため、できるだけ早期の着手をすすめた。
また、事前検査からインプラントの埋め込み、骨との結合、義歯の調節など、治療が完了するまでに一年近くかかる理由についても、くわしく解説した。
さらに、インプラントの埋め込み手術を滋賀医大が担当し、上部の人工の歯の部分の製作・装着を地域の一般歯科医院が行う「地域連携インプラントシステム」を県下で構築し、これまでに四十九人の歯科医が登録していることや、昨年度からはインプラント専門歯科衛生士の育成制度にも取り組んでいることなどを紹介した。
東近江市の村田順司さん(61)は昨年、山本教授による上あごの歯を全部摘出し、四本のインプラントを埋め込んで義歯を固定する治療を受けた体験談を話した。
「インプラント治療を受けて正解だった。痛みやはれもなく、快適な手術。歯がない時は食べるものもなく、もう終わりと思ったが、今はどこへ行っても何でも食べられる。(食生活が変わって)体重が増えたが血糖値は上がらなくなった。体重増も今ではぜいたくな悩み」と、白い歯をのぞかせた。
最後の質疑応答では、参加者から手術費用やメンテナンスの仕方、装着感など、具体的な質問が次々と出され、講座終了後には、「歯を見せて下さい」「きれいな歯ですね」などと村田さんに歩み寄る参加者も多く、関心の高さがうかがえた。






