森と生産者、施主を橋渡し
◇湖西
家を「買う」のでなく、「つくる」というプロセスから一緒に楽しみませんか―。「安曇川流域・森と家づくりの会」はこんなキャッチフレーズで、施主に家づくりに参画してもらいながら、適正に管理された地域産の木材を使い、地元の工務店によって建てる「こだわりの家づくり」に取り組み、これを「豊かな森づくり」につなげている。
「滋賀県の木材を知ってほしい」「地域の風土にあった、愛される家を広げたい」。そんな思いから同会は平成十六年に結成された。
会員は林業家や森林組合、製材所、設計事務所、工務店のほか、シンクタンクと一般のサポーターの二十人。
同会の活動は、消費者へのPRから始まった。県から補助を受けて一年間、コミュニティビジネスモデルとして、地域の人に林業や家づくりの流れに触れてもらうワークショップを企画、開催した。
内容は、<1>木の伐採<2>製材<3>大工の手仕事<4>木組み<5>完成見学会―を通して、森とつながる住まい、自然と関わりのある暮らしを提案し、現在も自主活動で続けている。
「参加者には、工場からプレカット加工されたものでなく、大工が一本の木から手刻みで加工し、木の癖を見抜きながら適材適所で用いる様を見てほしい」と、代表の宮村太さん(設計事務所主宰)は話す。
施主は、高島市朽木地域の山での大黒柱の伐採から参加することもできる。家づくりを通じて、暮らしや地域、森づくりについて生産者とともに考えられる仕組みだ。
湖南市の男性(60)は退職した昨年、夫婦二人の念願である木の香りのする家での暮らしを実現しようと、同会メンバーの設計・施工で近江舞子に家を新築した。スギの木目が美しいリビングには、マキストーブが備え付けられている。
「これが夢だったのです」と男性はにっこり。マキがなくなれば、近くの里山で調達できる。こんな風に家を建てたあとも自然とつながる暮らし。それが同会の願いだ。
宮村さんは「かつて人々は地域産の木材を使い、地域の技術で家を建て、お金を山に戻すことで経済と環境の循環を維持してきた。木材を有効に使うことは山を健全に保ち、水源となる森を守ることなのです」と目を細めた。
滋賀の木を住まいに使う仕組みづくりは、各地ではじまっている。ちなみに湖国すまい・まちづくり推進協議会によると、湖西地域を主な拠点にする同会のほか、大津の森の木で家を建てよう!プロジェクト(大津)、人と木の住まいづくりネットワーク(大津、湖南)、湖南の森木の家ネット(甲賀)、淡海里の家事業協同組合(東近江、湖東)、永源寺スギファンクラブ(東近江)、jimoki(じもき、湖東)、湖北の木で家をつくる会(湖北)、高島・森と住まいのネットワーク(湖西)などがある。







