がんの臨床検査薬の研究
◇全県
米国で先ごろ開催された米国核医学会で、県立成人病センター研究所(守山市)の研究員が腫瘍研究部門の第一位である最優秀論文賞を受賞した。また、同研究所の研究員と共同研究を行っている理化学研究所の水間広氏、尾上浩隆氏が行ったポスターセッションも神経研究部門で第二位になり、成人病センター研究所にとっては、二日にわたってのダブル受賞となった。
六月五日から九日まで米国ユタ州ソルトレイクシティーで行われた米国核医学会は、核医学分野では世界最高峰の学会といわれている。世界中から一万近い演題が提供される。学会期間中は、選考された二千を超える演題が、四部門にわかれて審査される。
成人病センター研究所の研究員が最優秀論文賞を受賞したのは、同研究所が昨年から臨床研究を進めている「新しいPET薬剤メチルAIB(MeAIB)に関する研究」が世界的に高く評価されたもの。
新しいPET薬剤メチルAIBとは、世界中でみても、県立成人病センターでしか使われていないアミノ酸系の新規PET用薬剤のこと。これは、平成二十年に、同研究所が日本で初めて、世界でも二番目に合成に成功した薬剤。平成二十一年より同意を得た上で、がん患者に対する臨床検査薬としてPET検査に使用している。
成人病センターでは「すでに保険診療として認められているFDG―PETは一部の炎症性腫瘤と悪性腫瘍を鑑別できないことがあり、一般診療で問題となることがある。このMeAIBでは、より正確に炎症と腫瘍の区別が可能となり、不要な検査や手術を省き、患者の負担が軽減できる。副作用はまったくなく、FDG―PETよりも撮影時間も短く、有用な腫瘍診断薬だ。現在までに、脳腫瘍・胸部腫瘍を中心とした九十人程度の患者に対して用いられている」と話している。
なお、今回受賞した成人病センターの研究員は、東達也氏、西井龍一氏、加川信也氏、岸辺喜彦氏、高橋昌章氏の五人。





