前年度の倒産件数の1.8倍
◇全県
民間情報調査会社・帝国データバンクは、企業概要データベース(一三八万社収録)から削除されたデータを収録したファイルを用いて、二〇〇六~一〇年度に休廃業、解散等に至った事業者(法人、個人含む)を集計した。
昨年度の全国の企業倒産(法的整理)は、中小企業金融円滑化法や緊急保証制度など各種政策効果によって前年度比一〇・六%減の一万一、四九六件にとどまった。
同様に県内の倒産件数も、前年度集計で一三五件、同八・八%減となった。一方で、こうした倒産にはカウントされない「企業活動の停止や消滅」も水面下で進行しており、増加の動きを見せている。
それによると県内に本社を置く企業で、前年度の「休廃業・解散」は二三九件で、二年ぶりに前年度を上回り、前年度の倒産件数一三五件に比べて約一・八倍の発生件数を示している。
種類別に見ると、「休廃業」が前年度比で七・九%増となり、全体の七四・五%を占める。他方「解散」は同一一・六%減となっており、「休廃業」は二年ぶりに増加、「解散」は三年ぶりに減少に転じた。
県内の休廃業・解散件数を業種別に見ると、全七業種中五業種で前年度を上回った。 増加率トップは、「運輸・通信業」で前年度比一〇〇・〇%増。その他、「不動産業」、「サービス業」などで増加が目立った。一方、全体に増加傾向となる中で、「製造業」と「小売業」で、休廃業・解散の件数が減少した。
前年度の県内での「休廃業・解散」は二三九件だが、こうした数字はあくまで氷山の一角ではあるものの、業績悪化や先行き見通し難を理由に企業活動を停止する企業が、近年で四百件前後判明していることは特筆すべきだろう。
県内の企業倒産(法的整理)が減少したのは、緊急保証制度や金融円滑化法の施行など中小企業に対する金融支援の政策効果が大きいと言える。さらに、各種エコポイントや補助金制度といった景気刺激策が需要を後押ししたことなども要因の一つと言えるだろう。
しかし、震災による沈滞ムードから個人消費の低迷は続き、金融支援策や景気下支えの各種政策も一巡して効果が薄れてきた上、県では経営者の高齢化や後継者難なども休廃業・解散件数が高止まりする背景にあるとみられる。
今後は、原材料価格高騰の煽りや東日本大震災の影響を受けた先行きの見通し難から、経営者の事業意欲がそがれ、倒産という形には表れない「休廃業・解散」とした事業活動を停止する企業の更なる増加も予想される。






