畑明郎・元大阪市立大学大学院教授が指摘
◇全県
九月十四日に開かれた「第二回県地域防災計画の見直しにかかる検討委員会」で、県は大気シミュレーションモデルによる放射性物質拡散予測を初めて公表したが、日本環境学会顧問(前会長)で元大阪市立大学大学院教授の畑明郎氏に同予測の問題点を聞いた。
――大気シミュレーションモデル使用については。
不活性ガスのキセノン133などを除く放射性物質は、超微粒子の形で拡散するので、ガス状の大気汚染物質の拡散モデルを適用することはできない。この意味でも福島原発事故で国が実施した「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」による拡散予測を使えるよう県はもっと働きかけるべきだ。
――今回はヨウ素131とキセノン133の予測だったが。
半減期が八日と短いヨウ素131と同五日のキセノン133を予測しているが、福島原発事故の例を見ても、一番問題になるのは半減期が二年と長いセシウム134や、さらに同三十年と長いセシウム137。今回のように、セシウム134や137を予測しないと、あまり意味がない。
――放出想定発電所を関西電力美浜原発としたが。
滋賀県に最も近く、なおかつ敷地内に活断層があり、福井県で最も古い原発の日本原電・敦賀原発を放出想定発電所とすべきである。
――気象条件は二つだけ採用したが。
平成十九年二月十六日と五月十五日の二日間の風向・風速のみであり、もっと多様な気象条件を設定しないと、実際の役には立たない。
――屋内退避および避難等に関する指標につては。
福島原発事故では、外部被曝による実効線量が二〇ミリシーベルト/年以上を避難対象としており、それを指標とすべきだ。また、予測地域を屋内退避の内部被曝指標一〇〇ミリシーベルト/日以上に限定せず、それ以下の低線量地域も示すべきである。







