年度内策定を断念 来年夏休み前を目指す
◇全県
県教委は九日、定例県教育委員会を開き、今年度内を目指していた県立高校の再編計画の策定を断念し、来年度に延ばすことを決めた。地元の根強い反発が県教委に“待った”をかけた格好だ。県教委は「原案は基本的に変えない」との姿勢だが、来年度内に再編計画が策定できなければ、末松史彦・県教育長の引責辞任は必至だけに、原案の大幅な修正は避けられないとみられ、今後は薄氷を踏む展開になりそうだ。
県教委は七月、彦根西と彦根翔陽、長浜北と長浜の統廃合、彦根東、彦根工、長浜北星の定時制を廃止して総合単位制に改編予定の能登川(東近江市)に集約させるなどの再編計画案を公表し、今年度内の計画策定を目指した。
しかし統廃合の対象となる長浜市、彦根市の学校関係者、市議会、PTAなどが猛反発し、白紙撤回を求める署名運動を展開した。
このような中、先月十二日に開催された九月定例県会では「今年度内の計画策定という方針に拘泥することなく、少なくとも今後一年以上の時間をかけ、さらに慎重な検討とともに生徒や県民への説明、理解を十二分に得るよう強く求める」とする決議案を可決した。これにより県教委は事実上、年度内策定を断念する政治判断を迫られることになった。
県教委が今年度内の計画策定を断念したことについて、嘉田知事は「今後、地域の声を真摯に受け止めながら、豊かな教育環境づくりにしっかりと結ぶつく再編計画になるよう、県教委はもちろんのこと、私としても努力していきたい」とコメントした。
また同日、獅山向洋・彦根市長、藤井勇治・長浜市長も会見し、両氏ともほっと安どの表情をみせた。
藤井・長浜市長は「県教委が立ち止まって考える判断をしたことを高く評価したい。市としても高校再編について教育専門家や地元代表者らで検討委員会をつくり、逆に県教委に提案をしていきたい」と語った。
獅山・彦根市長は「なぜ高校の再編が彦根、長浜だけなのかをきちんと県教委が答えられないのが問題だ。当市としても、もう一度、彦根西、彦根翔陽の同窓会やPTA、市教委の意見を聞いて高校再編の方向性を示していきたい」と話した。
一方、末松・県教育長は「再編は必要との認識は持っていただいている。その意味では、説明不足だったと反省している。計画策定については、長浜、彦根両市が独自の提案をされるようだが、県教委としても今後の新しい学校のイメージ像をもっとわかりやすい形で示し、両市との相互理解を深めていきたい」と無念さをにじませた。なお計画策定については、来年の夏休み前を目指すとした。






