近江八幡混声合唱団訪欧記
◇近江八幡
近江八幡混声合唱団(略称・「八混」)は昨年六月、オーストリアのウィーンで現地の合唱団とジョイントコンサートを開きました。
近江八幡には幾つもの合唱団がありますが、その中で唯一の混声合唱団として二〇〇四年四月に結成され、現在団員は五十七名(女性四十二名、男性十五名)で構成されています。
指揮者の大橋久子先生、ピアノの寺嶋奈緒先生の指導で、毎月三回の夜間練習をしており、今まで、市民音楽祭や文化祭への参加の他、ファミリーコンサート等を開いてきました。
平成二十二年五月の安土の文芸セミナリヨホールでの第五回演奏会では名物のパイプオルガン演奏の下に合唱し、大変ご好評を頂き、成功裡に終える事が出来ました。
若い時と違って、平均年齢六十歳を超える私達が、二十数曲の歌詞と、難しい音階を全て覚えるのは、かなりの重荷でしたが、中にはカンニングペーパー持参の方もいながらも、楽譜を持たずに見事な演奏が出来ました。
今回のウィーン公演はその直後から構想され始めたわけです。これまで幾度か他の女性コーラスを率いて海外公演されてきた指揮者の大橋先生も、「これならいける」と確信されたようです。
きっかけは、練習会場である仲屋町の「酒游舘」ホールの西村恵美子さん(団員)の御嬢さん、長谷川啓子さんがウィーンに在住され、オペラ歌手として活躍されていることからです。今回合同演奏をしたウィーンアコード合唱団の指揮者とも懇意な関係で、近江八幡混声合唱団との合同演奏会の話が持ち上がったわけです。
当初は数年先の計画でしたが、団員の年齢を考え「善は急げ」という事になり、直ちに訪欧演奏会実行委員会を立ち上げ、演奏会と旅程の計画を進めると共に、団員による演奏会場の下見・打ち合わせも併せて行いました。
音楽の都ウィーンと言われる土地柄での演奏という事もあり、外国人にも抒情を誘う「ふるさと」メドレーや、純日本的なメロデイの「さくら、さくら」、そして「お江戸日本橋」、宗教曲他を披露しました。
合同曲では「荒城の月」を日本語で、「野ばら」をドイツ語で、そして外国でも知られる「上を向いて歩こう」等を歌いました。
八混の歌は歌詞が日本語なので、美しい日本の四季の風景や日本人の情感を理解してもらうため、長谷川さんの協力を得て、ドイツ語に翻訳してもらい、美しい特製パンフレットも会場で配りました。
今回の演奏会は正式決定から一年足らずの日取りのため、特別練習を繰り返し行いました。そういった中、三月十一日の大震災が起こり、津波や原発事故の模様が全世界に伝わり、日本中が被災している印象を持たれたため、先方からは「とてもウィーンでの演奏会は無理なのでは」と危惧された事もありました。
しかしこういう時こそ、日本は大丈夫というメッセージを伝えるためにも、予定通り公演を開催する事にしました。
演奏会では、長谷川さんの流暢なドイツ語での司会で始まり、駐オーストリア日本大使の岩谷滋雄氏のスピーチも頂きました。
ウィーンアコード合唱団の「ウィンナーワルツ」の演奏に続いて、我が八混が合唱しましたが、「新ソーラン節」では当団員が全員鮮やかな法被を着て客席の周りを取り囲んで、投げテープをする等、観客の皆さんに大変喜んで頂きました。
そして、演奏会の終了後の打ち上げ会は、会場のすぐそばのドナウ川畔のオープンバーで、互いに片言の英語を駆使しながら交流を深める事が出来ました。
当初の計画では各パートから数名ずつ揃い、少なくとも二十五人位でオンステージしたいと思っていましたが、最終的にはサポーターも含み四十一名という参加者になりました。中には重い病気の治療中の方もおられ、更には八十歳を超えてもなお、声量のある方も進んで参加して頂きました。
大勢の訪欧団なので、途中色々ハプニングもありましたが、旅行社の添乗員さんの優しい気配りと、テキパキした業務遂行のおかげで、旅を満喫する事が出来ました。
旅行はウィーンで三泊、プラハで二泊、飛行機で二泊の七泊八日の行程で、最初の朝ウィーンに入り、シェンブルン宮殿など市内観光を一通りしてから夕食を取り、その後五つのグループに分かれて、クラシック・オペラ・バレー・室内楽等、それぞれの会場で「音楽の都 ウィーン」の夜を楽しみました。
有名なウィーン国立オペラ座や、毎年日本でも放映されるニューイヤーコンサートの開かれる黄金のホール、ブラームスホール他、音楽好きには憧れとも言える会場でのコンサートに、皆、心から酔いしれた次第です。
それにもまして、前夜の十時半に関西国際空港を飛び立ち、途中トルコのイスタンブール経由でウィーン空港に朝の九時到着と、十七時間半の行程をこなしてなお、全員がその夜の演奏会に出かけたそのパワーには驚かされました。
二日目はベートーベンやシューベルト他が眠る、映画「第三の男」で知られる中央墓地などを見学後、演奏会場のウラニアホールで最終練習に臨みました。
演奏会を無事に終えた四日目の朝には、ウィーンから国際特急列車で一路プラハに向かいました。モルダウ川を見下ろす宮殿風のレストランで、夕食後に皆で歌った「見上げてごらん夜の星を」は、それぞれに心地良い達成感もあって、今も胸に焼き付いています。
プラハでの二日間の市内観光も、各々がグループに分かれて、さまよいながらも古都の雰囲気を堪能する事が出来ました。
今回のウィーン演奏旅行を通じて、参加者全員の親交が深まり、改めて「近江八幡混声合唱団に入っていて良かった」と皆が実感することができたように思います。
今回都合により参加出来なかった団員も含めて、これからも《歌って楽しい合唱団》、観客の皆さんと一体感が持てる歌を唄い続けて参りたいと思います。
近江八幡混声合唱団にはどなたでも入会出来ます(特に男性歓迎)。毎週第一・第二・第三水曜日の午後七時から九時まで、練習会場は酒游舘です。連絡先は団長の山本康弘0748―34―6373)まで。
◆今後の予定:五月十三日(日)第七回ファミリーコンサート 会場:文化会館小ホール
◆詳細は近江八幡混声合唱団ホームページ(http://www.gdx.co.jp/hachikon/)をご覧下さい。
文 近江八幡混声合唱団訪欧実行委員会
村西耕爾
写真・絵 同委員会提供














