滋賀県議会議員 今江 政彦
自民党や維新の会など道州制を進めようとする政党が昨年の解散総選挙で多くの議席を得て、国会では道州制基本法案提出に向けて活発な動きがあります。
こうした中で今年2月の京都府議会で気になるやり取りがありました。京都府知事が道州制に関連して「滋賀県とは生活区域から働く場所の共有、さらに企業や学校を含めて大変共通点がある。この合併というのは一つの現実的な対応ではないか」という内容の答弁をされたことです。また、京都府知事は「大津に府庁をもっていくということも考えられる」と述べられたようですが、府下に京都市がある中で、とても京都府民が納得する話とは思えません。
京都府議会におけるこのやり取りに対して、滋賀県知事は記者会見で「滋賀県には1300年の歴史がある。県民のアイデンティティーも強く、滋賀県をなくす、あるいは京都府と一緒にするということのメリットは今のところ見えない」という趣旨のコメントをされています。
さて、滋賀県には琵琶湖という大きな財産があり、このつながりから湖国と呼ばれています。また、古くから「近江の国」としてその名が親しまれてきました。
まさに、琵琶湖は私たち滋賀県民の誇りであり、心のよりどころなのです。そして、琵琶湖・淀川水系にある京都府や大阪府にとっては住民の命を守る豊かな水源です。この琵琶湖の水質をはじめとする琵琶湖全体の環境を守っていくのは滋賀県民の責務であり、またアイデンティティーであるといっても過言ではありません。
もし、滋賀県と京都府が合併するようなことになれば、滋賀県民のアイデンティティーは失われ、これまで先人たちが築いてきた滋賀の歴史や文化も京都という名のもとに埋没してしまうのではないか、と危惧しています。
今、TPP問題でその行方が心配されている滋賀県の農業もこの琵琶湖とともに営まれてきましたが、仮にこの合併が進めば「環境こだわり米」で注目されている滋賀県農業の将来に大きな影を落とすことになるのではないか、と懸念しています。
間もなく公示される参議院選挙では道州制をはじめ府県合併も重要な争点になるかもしれませんが、近江商人の活躍などに象徴される滋賀の地域経済力、母なる琵琶湖に代表される滋賀の豊かな自然、そして、京都に勝るとも劣らない滋賀の魅力ある歴史・文化を滋賀県民の誇りとしてしっかり守っていかねばなりません。






