衆議院議員 武藤 貴也
原発事故を経て、未だ「脱原発」と「原発維持」の論争は続いている。しかし実は「第三の道」とも言うべき方法がある。それは「トリウム原発」と言われるものだ。「トリウム」とはウランの次の次に重い原子核で、中性子を加えると非常に良い核分裂性物質になる。これを利用したのが「トリウム原発」で、実は従来型原発の問題点を一気に解決する。
まず「トリウム1t当たりの熱量はウラン200tあるいは石炭350万tと同じ」と言われ、代替エネルギーとして申し分ない。次に、その資源量は自然界にウランの約3倍以上存在するといわれている。また、廃棄物については、「トリウム原発」のプルトニウム廃棄物は従来の1000分の1、しかもそれをさらに原発の着火剤として再利用することができる。そして何より「安全性」が高い。トリウムは450℃以下でガラス状に凝固する性質を持つ。つまり、事故等で大気中に放出されたとしても、ガラス状になり、放射性物質を包み込むので、拡散することがない。専門家は「地震やテロ攻撃にも大丈夫だ」という。
しかし、では何故ここまで優れたエネルギー源が今まで利用されなかったのか。その理由について日本のトリウム原発研究第一人者の古川和男氏は語る。「なぜトリウム原発が使われなかったか、それは核兵器に利用できないからです」。開発先進国の米国は核兵器に利用できない為採用せず、技術を輸入した日本もそれに倣った。しかし今その米国も「トリウム原発」開発に乗り出している。古川氏は「原子炉は自然界にも存在する、驚くほど単純なもの。これを人類に役立てられないなんかおかしい」と語り、「脱原発論」を否定した。
原爆の被爆者であり医学博士の永井隆氏はかつて次のように語った。「我々は原子爆弾を絶対に許せない。しかし、このエネルギーを平和的に利用すること、これは被爆国である日本国民の責務です」。事実、日本はどの国よりも核に犠牲を払ってきた。だからこそ日本は、「核」から逃げるのではなく、世界人類の先頭に立って克服し、コントロールし、人類の為に役立てることを理念として前進すべきだと私は思う。






