自民「浸水危険区域」 視察 住民 県の不作為への反発強く
九月県議会で審議中の「県流域治水条例」案に批判的な自民党県議団(吉田清一代表、二十二人)は、住宅などの建築制限がかかる「浸水危険区域」に想定されている地域の実情を調査するため、現地視察を相次いで行っている。地元からは、県が条例で建築制限を実施しようとする一方で、河川整備が滞っているだけなく、維持管理が十分でない現状に行政不信を訴える意見が多く上がった。
県は、二百年に一度の大雨が降った場合、三メートル以上の浸水が想定される地域を「浸水危険区域」に指定し、条例案で住宅などを新築・増改築する場合、地盤のかさ上げを行うか、避難所を設けることを義務付け、違反した場合は二十万円以下の罰則を行うことにしている。対象家屋は約千七十戸とみている。
建築制限対象の八百戸が集中する長浜市の旧虎姫町には、議会開会日の十八日訪れ、被害が予測される住宅地や、排水路であるカルバートを市職員の説明を受けながら視察した後、虎姫支所で地元住民と意見交換した。
同地域は、高時川上流の国の丹生ダム計画の方針が定まらないため、同河川下流や合流する姉川の整備計画が策定されないままの状態にある。
住民からは「条例を制定する前に、せめて危険個所のしゅんせつなどすべき対策がある」「建築制限がかかると若者が定住しなくなるだけでなく、工場も誘致できなくなる」「すぐに大規模な改修ができなくてもしゅんせつと河川敷の雑木・竹林の除去は実施してほしい。民地が混在して十分できないというが、これを整理・管理してこなかったのは県の責任」「地元での説明は全くなく、県民からの意見募集も知らなかった」など、批判的な意見が出た。
二十三日には竜王町弓削地区を訪れた。弓削地区は浸水しやすい地形のため、従来から住宅のかさ上げが行われ、県はこれを参考にしている。しかし、意見交換で自治会役員は「明治二十九年の洪水では堤防が決壊し民家は流出した」と、効果を疑問視した。
また、下流の近江八幡市で実施しているものの、上流の同地区での着手時期はまだ明確でない河川整備について「せめて堤防の危険個所の点検・修理、河川敷地内の竹や雑木の除去を実施すべき」と、効果的な維持管理を要望する意見が出た。






